東日本高速会社/ロッキング橋脚の耐震補強着手/17年度から3年程度かけ順次着工

 ◇自社・自治体管理各70橋対象
 東日本高速道路会社は、同社管内の道路施設で採用されているロッキング橋脚の耐震補強事業に順次着手する。自社管理分の工事対象はランプ橋などの約70橋。補強工事によってより安定性の高い構造とし、震災時の安全性の向上を図る。既に調査・設計作業に入っており、来年度から本格的に工事を発注。3年程度かけて事業を進める。
 自社管理分のほか、高速道路上に架かる跨(こ)道橋など、ロッキング橋脚が採用されている自治体管理分の約70橋については、自治体との協議が成立した段階で事業を支援していく方針だ。
 ロッキング橋脚は上下端がヒンジ構造の多柱式で、基礎を小さくすることができる一方、水平方向の抵抗力を受け持たず、単独では自立できない。最大震度7の前震と本震が立て続けに発生した16年4月の熊本地震では、九州自動車道をまたぐロッキング橋脚の県道(府領第一橋)が落橋した。
 大規模地震による変位が生じると不安定になるロッキング橋脚の耐震補強では、支承部など部分的な破壊による落橋を防ぎ、速やかな機能回復を可能とする構造への転換が必要とされている。
 熊本地震を踏まえた橋梁の耐震対策などを実施するに当たり、高速道路各社と日本高速道路保有・債務返済機構は16年12月、対象路線に関する協定内容を一部変更。今年に入り、ロッキング橋脚を有する橋梁の耐震補強設計歩掛かりも新規に制定した。
 国土交通省が示すロッキング橋脚の耐震補強対策の考え方では、水平・鉛直方向に対する抵抗力を確保し、単独で自立可能な安定構造にすることを基本とする。並列する柱をRC巻き立てによって壁化して一体化を図るとともに、柱の上下端のピボット支承に逸脱防止対策などを施し、壁化した部分と剛結する。
 施工上などの制約がある場合、橋軸直角方向に自立する構造(半自立構造)とし、並列する柱をRC巻き立てによる壁化とブレース材で連結。橋軸方向の抵抗力については別途確保する必要性を指摘している。
 昨年11月、国交省は熊本地震を教訓にした新たな道路の防災・減災対策をまとめた。高速道路や直轄国道をまたぐ跨道橋では落橋・倒壊防止対策が未実施の約400橋(自治体管理)を対象に、今後5年間で交付金を優先的に配分して事業を推進。同対策とは別にロッキング橋脚の跨道橋(約450橋)の耐震補強対策をおおむね3年で実施する目標を掲げている。

(日刊建設工業新聞様より引用)