東日本高速道路/常磐道・福島側4車線化工事に着手/早期復興に弾み、20年度完成へ

 15年3月に全線開通した常磐自動車道の一部区間を4車線化する建設工事がいよいよ始まった。東日本高速道路は17日、いわき中央インターチェンジ(IC、福島県いわき市)~広野IC(同広野町)間(延長26・6キロ)の4車線化と、福島第1原発付近に設ける大熊、双葉両IC(いずれも仮称)の着工式をいわき市の好間工業団地で開催。福島県側の4車線化とIC新設工事の口火を切った。式典に出た福島県出身の吉野正芳復興相は「(4車線化で)人や企業が福島に引き付けられ、地域の復興が後押しされる」と強調した。 =1面参照
 国土交通省は昨年3月、福島県の太平洋沿いを縦断する常磐自動車道の暫定2車線区間(いわき中央~岩沼間、延長約128キロ)のうち、渋滞が多い2区間(合計約40キロ)を4車線化することを正式に決めた。
 総事業費は約1300億円。4車線に広げる区間は、今回着工したいわき中央IC~広野IC間と岩沼IC~山元IC間で、それぞれ900億円、400億円の事業費を配分する。
 いわき中央~広野間の工事は山間部を通過することから、大規模な切り土・盛り土を展開。2カ所のトンネルと、22カ所の橋梁を建設する。
 トンネル工事では、最大土かぶりが10メートルと大きい好間トンネル(延長1236メートル)、地すべり地帯付近を通る大久トンネル(525メートル)を建設。一方、橋梁工事では、22橋で最長の折木川橋(720メートル)などを整備する。
 今回4車線化に着手した区間の北方、常磐富岡ICの4キロ北側に大熊IC、その5・3キロさらに北側に双葉ICを新設する。
 大熊、双葉両ICはいずれも15年8月に事業許可が下りた。双葉ICは20年3月、大熊ICは21年3月の供用開始を目指している。
 常磐道は、震災や原発事故からの復旧・復興が加速する中、15年3月に全線開通。福島県沿岸の復興事業や原発の廃炉作業などに行き来する交通量が増加している。4車線化とIC新設によって原発周辺地域の交通利便性が格段に増す。工事車両の往来を円滑にし、県の早期復興に大きく寄与する役割が期待される。
 式典には、東日本高速道路の廣瀬博社長や吉野復興相、川瀧弘之東北地方整備局長、関係市町の首長、舗装工事などを担う前田建設、清水建設、フジタらの幹部らが出席。工事が安全かつ早期に完成するよう関係者らで鍬入れを行った。
 式典で廣瀬社長は「地元の期待に寄り添い、一日も早い完成へ全力を尽くす」と述べた。大野泰正国土交通大臣政務官は「4車線化により地域の経済、暮らし、命を守る機能が高まる。復興創生期間に完成するよう国としてしっかり支援する」と強調した。
 吉野大臣は式典後に会見し、「広野IC以北(の2車線区間)には6カ所の付加車線(追い越し車線)を設けるが、復興庁として、全面4車線化に向けて国や東日本高速道路と協議する」と語った。

(日刊建設工業新聞様より引用)