東洋建設/底質薄層浚渫システムが成果/ため池放射性物質対策モデル事業(福島県)で

 東洋建設が、福島県発注の「県営ため池放射性物質対策モデル事業」に独自の底質薄層浚渫システムを導入し、成果を上げている。台船に搭載したバックホウで底質を除去し、陸上で減容化する。バックホウに特殊なアタッチメントを装着し、15~20センチという薄さで底質を除去できるのが特徴だ。中間貯蔵施設への搬入量を減らすことにつながり、発注者が寄せる期待も大きいという。
 福島第1原発事故で大気中に放出された放射性物質は、農業用ため池に蓄積し、貯留水の使用やため池の維持管理作業の支障となっている。県ではこのため、ため池に蓄積した乾土(1キロ当たり8000ベクレル以上)の底質を除去する工事を行い、営農環境の回復を図る計画だ。
 同社は、楢葉町上繁岡の上繁岡第1ため池を担当。対象面積は1万8988平方メートル、浚渫深さは20センチで、地元の横山建設(福島県楢葉町、横山佳弘社長)とのJVで除去工事を進めている。工期は16年10月~17年3月末。
 市町村が検討を進める農業用ため池の放射性物質対策の先進事例となるよう、15日に県の主催で同モデル事業の現地説明会が開かれ、自治体の担当者や関係者ら約70人が参加した。
 参加者らは薄層浚渫システムによる汚染底質除去状況を見学。同社の職員が模型やパネルでシステムの説明を行った。除去底質は中間貯蔵施設への搬出が予定されているため、処分量の減容化も課題とされる。参加者からは、薄層浚渫技術の精度や放射性物質除去の効果などについて多く質問が上がった。
 同社は、「平成23年度環境省除染技術実証事業」「平成27年度福島県ため池放射性物質対策技術実証事業」を経て底質薄層浚渫システムを実用化した。このシステムをため池や湖沼など各水域に適用し、被災地の復興に貢献していく。

(日刊建設工業新聞様より引用)