水戸市/水戸ど真ん中再生プロジェクト進行/民間主導で投資呼び込み街を活性化へ

 ◇プロバスケチーム練習拠点設置など
 中心市街地空洞化への懸念が高まっている水戸市で、にぎわいの復活に向け、実業家らが主導する新しい街づくりが本格化している。「水戸ど真ん中再生プロジェクト」として、水戸市もオブザーバーとして活動に加わっている。9月には、手付かずだった商業店舗跡地を活用したプロバスケットボールチームの練習拠点やカフェなどがオープン。再活性化へ新たな風を吹き込んでいる。
 発起人は東京都内にあるグロービス経営大学院の学長で、グロービス・キャピタル・パートナーズの代表パートナーを務める堀義人氏。かつてにぎわった百貨店などが撤退し、シャッターを下ろした店が目立つ商店街や空き地などが増えている状況を目の当たりにした堀氏が、高橋靖市長に直談判し、16年2月に動きだした。
 同市出身の著名人や事業者、東京を中心に活躍する経済人・文化人らがメンバーになっており、住友不動産の仁島浩順社長、星野リゾートの星野佳路社長らが名を連ねる。コンパクトシティーへと転換を図り、市中心部に投資を呼び込んで居住者や働く場を増やす。そうした好循環を生み出すためのグランドデザインを描いていく。
 9月にオープンしたのは、「まちなか・スポーツ・にぎわい広場(通称・M-SPO)」。住友不動産が所有している百貨店跡地(南町3の111の1ほか)で、面積は5740平方メートル。堀氏が取締役オーナーを務める男子プロバスケットチーム「茨城ロボッツ」の練習拠点となる仮設アリーナ(S造平屋684平方メートル)のほか、オープンカフェ、市民活動の原点となるスタジオなどとして利用されている。
 全体の約半分を市が借り受けて広場として利用。残りの敷地を茨城ロボッツが借りてM-SPOとして整備した。市はこれに協力する形でM-SPO内に多目的トイレを設置した。今回の事業で、茨城ロボッツは助成金などは受けていない。官民それぞれが役割分担しながら主体的に参画し、にぎわい創出拠点を作り上げる。そうした動きを市民も歓迎しており、ウイン・ウインの関係が出来上がっているという。
 これからも、民間の投資活動を市が後押しするような街づくりを進めていく。偕楽園に隣接している千波湖の周辺の遊休地へのリゾート施設の誘致を構想している。街中でのシェアオフィスやシェアハウスの設置のほか、民間による美術館の新設もアイデアに挙がっている。さらに、将来構想として、路面電車の復活の可能性も議論している。
 堀氏は「実現するかは分からないが、さまざまな構想を描き、民間が主導しながら率先垂範して行動することで、ムーブメントをつくりたい」と話す。特徴あるコンパクトシティーの先駆けとなるモデルにすることが目標だ。

(日刊建設工業新聞様より引用)