淺沼組/AI生かし熟練技能を「見える化」/初弾システムを18年春に実用化へ

 淺沼組が、人工知能(AI)などを用いて熟練技能を伝えていく総合型システム「Ai(あい)-MAP SYSTEM」の開発を進めている。GPS(衛星利用測位システム)センサーなどを登載したヘルメットで技能労働者の動きを計測して技能特性を「見える化」し、作業の効率化や技能の継承に活用する。六つのシステムを統合する構想で、初弾は来春の実用化を目指している。
 システムの正式名称は、「Asanuma Intelligence-Maintenance and the Productivity SYSTEM」。加速度センサーやカメラをヘルメットに取り付けた動態計測システム「Aiロガー」で、現場の作業実態や動いた軌跡などを記録し、蓄積していくことが柱。
 例えば、鉄筋の結束では、熟練技能労働者は少ない動きで効率よく作業を進めている。熟練者と経験が少ない技能者の動きを両方記録して比較することで、説明しづらかった作業のこつなどを可視化していく。ただ、GPSだけで位置情報を得ようとすると、構造物の内部などでは計測できない。画像情報から位置を解析して算出するシステムと組み合わせ、計測精度を向上させていく。
 来春の実用化を予定しているのは、インフラ通信システム「AiTEC」と、現場生産予測システム「AiSYS」。Ai-TECでは、タブレット端末などを通じて動画の送受信や画像を用いた指示などを行うことができるようにする。
 AiSYSでは、歩掛かりデータなどを解析して、人員の最適配置や出来高予測などを行う。施工中の動態データを取り入れて繰り返し予測を行い、深層学習(ディープラーニング)により精度を高める方向だ。生産管理の効率化にも活用していく。
 このほか、情報リンクシステム「AiPICK」や、物質分析システム「Aiサーチ」、動態記録システム「Aiモーション」を開発中。システム全体の完成は2年後を目標にしている。
 位置情報を含んだ記録を蓄積できるため、インフラの点検や災害時の調査にも有効とみている。建設現場の生産性向上策i-ConstructionやCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)との連動も見据えている。
 開発を担当する田村泰史土木事業本部建設マネジメント室兼技術設計第2グループ課長は「熟練者の技能を記録して活用することで、熟練するまでの期間を短くし、働き方改革にもつなげていきたい」と話している。開発は、国土交通省関東地方整備局とミオシステム(京都府宇治市)と連携して進めている。

(日刊建設工業新聞様より引用)