清水建設/AI搭載自動搬送ロボ、建築現場で実機検証/18年後半にも本格運用

 清水建設は、自律型ロボットを導入した新たな建築生産システムの構築に向け、人工知能(AI)を搭載した自動搬送ロボット「ROBO-CARRIER」を東京都内の建築工事現場で試験運用する。レーザーセンサーなどで自己の所在位置や対象物を認識しながら資材を所定の位置に自動搬送する。今後都内の数カ所の現場で実証しながら実機の生産を進め、来年後半に本格適用する予定だ。
 同社は、溶接、天井、搬送の三つの作業に自律型ロボットを導入する次世代型建築生産システム「シミズ スマート サイト」の構築を進めている。各ロボットはタブレット操作によりロボット統合管理システムから送信される作業指示に基づいて自律的に稼働し、作業の省力化による生産性向上が期待される。
 このうち今回実証を行うROBO-CARRIERは、現場に搬入された資材を同じフロア内で移動・搬送する水平搬送用ロボット。機体上部のレーザーセンサーで取得した躯体などの位置情報とBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)データを照合して自分の所在位置を認識。機体下部の障害物検知用レーザーセンサーと、距離測定用2眼カメラの情報を合わせて自ら走行ルートを選択して、指示された作業場所まで資材を自動搬送する。
 同社が東京都千代田区で施工する「日本大学理工学部駿河台校舎南棟(仮称)新築工事」で実証中で、16日には同作業所をパトロールした勝田智明東京労働局長の前で、フロア内の資材搬送を実演。勝田局長は「建設業界でも働き方改革が課題となり、実現には生産性向上が必要になる。省力化につながるロボット開発は、人と機械の分離や重筋作業の軽減などよる労働災害防止にもつながる」と開発、導入に期待を示した。
 実際の現場では、トラックからエレベーターへの搬送用と、エレベーターから作業場所への搬送用の2台が配備され、2台で作業員8人分の作業をこなすという。開発を担当する清水建設の印藤正裕常務執行役員生産技術本部長は「人が足りない中では、ロボットが資材運搬などの重筋作業を請け負うことで、技能労働者は本来の技能を使った作業に集中でき、施工の効率化につながる。生産性向上に大きな効果があると期待している」と有効性を強調。来年後半から関西地区の高層ビル新築現場で本格稼働させる考えを示した。

(日刊建設工業新聞様より引用)