環境省/中間貯蔵施設が一部稼働/大熊町工区(福島県大熊町)で、仮置き場解消へ一歩

 福島第1原発事故で福島県内に飛散した放射性物質の除染廃棄物を最終処分するまで保管する中間貯蔵施設(福島県双葉町、大熊町両工区)の一部が28日に稼働し、汚染土の貯蔵を開始した。福島の震災復興で最大の障害となっている除染廃棄物の仮置き場約1100カ所の解消に向け、一歩を踏み出した。
 稼働したのは、昨年11月から大熊町工区で整備してきた汚染土と草木などの可燃性廃棄物をふるい分ける受け入れ・分別施設(処理能力1時間当たり140トン)と、汚染土の貯蔵施設の一部(容量約5万立方メートル)。環境省が工事を発注し、施工は清水建設・竹中土木・東洋建設JVが担当している。工期は来年3月まで。
 同日現場を訪ねた伊藤忠彦副大臣は工事関係者に対し「ほんのささいな不注意が事故を招く恐れがある。安全こそ最優先だということを肝に銘じてほしい。福島の復興に必要不可欠な事業に携わっているという誇りを共有し、関係者一丸となって全力で取り組んでもらいたい」と訓示した。こ後の記者会見では「県内にある(除染廃棄物が袋詰めされた)フレコンバッグを一つでも早く生活圏から取り除いていければ」と語った。
 伊藤副大臣の訓示に立ち会った渡辺利綱大熊町長は、「ここまでの道のりは決して平たんではなかった。中間貯蔵施設の運用開始は被災地の復旧・復興の加速と住民の安全・安心に大きく寄与する」と期待を示した。環境省は、大熊町工区と同じ昨年11月から双葉町工区で整備中の受け入れ・分別施設と土壌貯蔵施設(施工=前田建設・奥村組・鴻池組JV)もできるだけ早く稼働させることを目指す。
 中間貯蔵施設は福島第1原発を取り囲むように配置される。全体の敷地面積は約1600ヘクタール。環境省は今後、受け入れ・分別施設や土壌貯蔵施設と併せ、草木など可燃性除染廃棄物の「減容化施設」や、放射性セシウム濃度の高い焼却灰などの「廃棄物貯蔵施設」の整備も本格的に進める。
 大熊町工区の施設を含む今後の中間貯蔵施設の整備や安全管理では、ICT(情報通信技術)を積極活用して作業の安全や品質を高める計画もある。
 環境省は、最終的に福島県内の除染で発生すると推計している最大2200万立方メートル分(東京ドーム約18杯分)の廃棄物を中間貯蔵施設で最長30年間保管する見通し。当面は2020年度までに累計で最大1250万立方メートル分の搬入を想定している。

(日刊建設工業新聞様より引用)