石川県/国立近代美術工芸館移転で基本設計概要公表/明治期の文化財建築物活用

 石川県は、金沢市に移転する東京国立近代美術工芸館(東京都千代田区)の基本設計概要を明らかにした。明治期に建設され、国の登録有形文化財になっている旧陸軍第九師団司令部庁舎と旧陸軍金沢偕行社を活用し、延べ約2500平方メートルの建物を整備する。新年度に実施設計を行い、東京五輪が開催される20年までに完成させる。基本設計は山岸建築設計事務所が担当している。
 建設地は、本多公園内の県立美術館といしかわ赤レンガミュージアムの間。同市布引4にある旧陸軍第九師団司令部庁舎(木造2階建て延べ549平方メートル)、旧陸軍金沢偕行社(同延べ544平方メートル)を移築・活用する。具体的には、両建物の過去に撤去された部分を復元するとともに、渡り廊下でつなぎ、その中央部にバリアフリー対応の出入り口を設ける。復元により、旧第九師団司令部庁舎の面積を約1280平方メートル、金沢偕行社を約840平方メートルに拡大し、増築部分の約400平方メートルを合わせ、約2500平方メートルの建物にする。内部については、適切な温度・湿度管理などができる美術館仕様で整備する。
 工芸館の移転は、県が政府関係機関移転の一環として働き掛け、昨年3月に決まった。その後、文化庁、国立美術館、県、金沢市が連携し移転準備を進めている。基本設計は県が昨年10月に委託した。
 移転により、陶磁器やガラス、漆工、木工、工業デザインなど現工芸館に収蔵されている美術工芸作品3682点の半数以上が金沢市に移る。

(日刊建設工業新聞様より引用)