社保未加入対策/現場入場規制、どう解釈/議員の質問続く、国交省「丁寧に周知」

 国土交通省が取り組む建設業の社会保険未加入対策で、作業員の現場入場規制の解釈などをめぐり、国会議員から政府への質問主意書が続いている。同省は17年度以降、特段の理由がない限り未加入作業員の現場入場を認めないとの考えを示しており、主意書の相次ぐ提出は業界内の社会保険に対する関心の高さの現れともいえる。同省は「今後も分かりやすい周知に努める」(建設市場整備課)としている。
 政府は22日の閣議で、青木愛参院議員(自由)から提出された質問主意書への答弁書を決定した。主意書では「民間工事でも作業員の社会保険加入を確認できない場合には現場入場を制限するよう求めていく方針なのか」と質問した。
 国交省が策定した「社会保険加入に関する下請指導ガイドライン」には、遅くとも17年度以降は適切な社会保険に加入していることが確認できない作業員について、「元請企業は特段の理由がない限り現場入場を認めないとの取り扱いとすべきである」と明記されている。同省はガイドラインの内容が「公共工事であるか民間工事であるかを問わない」との見解をあらためて示した。
 社会保険(雇用、健康、厚生年金)は就労形態(雇用または請負)などによって入るべき保険が異なるため、一律の判断が難しいのも実情。建設現場の事務担当者が、作業員一人一人の入場の可否を判断するのは困難といった声も業界内には少なくない。
 升田世喜男衆院議員(民進)は作業員の現場入場規制について、政府に質問主意書を10月19日と11月2日に提出。健康保険の適用除外承認を受けて国民健康保険組合が運営する建設国保に加入し、雇用と厚生年金の両保険に加入している作業員や、個人で国民健康保険と国民年金に加入している事業主である「一人親方」など、現場入場の判断が難しい4ケースについて質問した。
 これに対し国交省は、4ケースすべてについて「入場可能」との見解を示し、これを盛り込んだ答弁書が10月28日と11月11日の閣議で決定された。
 青木氏は元下請間などの請負契約の見積もり段階で、法定福利費相当の不当な値引きや工事費の減額などがあった場合の行政指導についても質問。これに対して国交省は建設業法違反の恐れがあり、必要に応じて請負代金の額を見直すよう書面などにより指導などを行うとした。
 国交省は、事業所や就労の形態に応じて加入すべき社会保険について整理した表をホームページに掲載。適用除外事業所の取り扱いについてもあらためて行政機関や団体に文書で周知する予定という。

(日刊建設工業新聞様より引用)