社整審分科会/今後の道路政策で建議/維持管理・更新費の安定確保を

 今後の道路政策を議論してきた社会資本整備審議会(社整審、国土交通相の諮問機関)の道路分科会(分科会長・石田東生筑波大特命教授)は22日、老朽化対策のさらなる強化などを求める建議をまとめた。今後増加が予想される維持管理・更新費を安定的に確保できるようにする方策の検討をはじめ、防災・減災や経済成長に貢献する道路の整備推進やネットワーク機能の拡充などを提案している。=1面参照
 同日開いた道路分科会の会合で、石田分科会長が国交省の高橋克法政務官に建議書を手渡した。
 建議の題名は「道路・交通イノベーション~『みち』の機能向上・利活用の追求による豊かな暮らしの実現へ~」。国交省が道路分科会に道路政策全般を対象にした建議をまとめてもらったのは2012年以来5年ぶり。老朽化対策に特化した建議は14年にまとめてもらっている。
 今回の建議では、国交省が道路政策の最優先課題に位置付ける老朽化対策を中心に新たな施策や現行施策の充実などを提案した。
 老朽化対策のさらなる強化に向けた施策の提案では、ストックの大半を管理している地方自治体などの道路管理者が行う維持管理や更新にかかる費用を的確に予測し、安定的に確保していくための方策を検討する必要性を指摘した。具体的には、新たに一般道を利用する大型車向けに対距離課金を導入したり、有料道路で建設債務を償還した後も料金徴収を続けたりする方策の検討を求めた。
 防災・減災や経済成長に貢献するための施策の提案では、昨年4月の熊本地震を教訓に、現在指定されている災害時の緊急輸送道路の絞り込みを求めた。指定路線の中から平時も含めた安定的な輸送確保に向けて重要になる路線を特定し、耐震化を念頭に置いた設備投資を重点的に進めておくことを提案した。
 さらに、空港や港湾などの交通拠点や物流施設の周辺にある橋やトンネルなどの道路施設構造物については、トラックの大型化に対応した構造の機能強化を求めた。
 《建議の要旨》
 ■老朽化対策
 ▽維持管理・更新に必要な予算を安定確保
 ▽一般道で大型車対距離課金導入
 ▽有料道路で建設債務償還後も料金徴収
 ▽技術者が不足する市町村に対し、国による専門家派遣などの技術支援充実
 ▽点検や補修を高度化・効率化させる入札契約制度整備や最新技術導入
 ■防災・減災
 ▽緊急輸送道路指定路線の絞り込みと機能強化
 ▽交通・物流拠点周辺での道路施設構造物の機能強化
 ▽道路事業の実施に合わせた電柱の新設抑制・既設電柱撤去推進
 ▽地下埋設物工事による舗装劣化に対応する仕組み構築
 ■一般道渋滞対策
 ▽道路管理者による沿道への大型商業店舗出店事業者からの料金徴収
 ■地域・民間との連携
 ▽道路・都市空間の一体的なリノベーション実施に向けた立体道路制度拡充

(日刊建設工業新聞様より引用)