社整審道路分科会部会/市町村道の老朽化対策で建議骨子案/予算・技術で支援強化

 ◇人材バンク構築やIT・AI導入提案
 今後の道路施策を検討している社会資本整備審議会(社整審、国土交通相の諮問機関)道路分科会の基本政策部会(部会長・石田東生筑波大特命教授)は16日、維持管理体制がぜい弱な市町村道の老朽化対策の強化を柱とする建議の骨子案をまとめた。道路管理者の市町村が点検や補修・修繕、更新の取り組みを持続できる予算を安定的に確保する方策を求めた。
 建議は最終的に道路分科会が今夏にまとめ、国交省は18年度予算概算要求や制度改正などに反映させる。
 骨子案は、道路施策のテーマに▽メンテナンスのセカンドステージへ▽交通安全▽防災・インフラ安全▽交通円滑化▽人と物の流れ▽モーダルコネクト(他の交通との連携)▽地域・民間との連携▽道路空間の利活用▽「観光先進国」の実現-の9項目を列挙した。
 このうち「メンテナンスのセカンドステージへ」と銘打った老朽化対策を強化する施策では、ストックの大部分を占める市町村道の老朽化対策の強化を提案。市町村が維持管理の取り組みを持続できる予算を安定的に確保する方策を検討するよう求めた。国交省が昨年行った市町村の道路管理に関するアンケートで、有効回答を得た1684団体のうち約6割が現状の予算規模では維持管理に十分に対応できないと回答しているためだ。
 骨子案は、国に道路技術者の人材バンクの仕組みを構築し、技術者が不足している市町村に派遣して維持管理の取り組みを支援する制度の導入を提案した。
 点検・補修作業の高度化・効率化を図るため、IT(情報技術)や人工知能(AI)などの最新技術の導入を促すとともに、高度化・効率化を図るための入札契約制度の充実も求めた。
 維持管理の財源を確保するため、有料道路で建設債務を償還した後も料金徴収を続けたり、一般道で大型車を対象に対距離課金を設定したりする制度の検討も提案した。
 国交省が道路分科会に道路施策全般を対象にした建議をまとめてもらうのは12年以来5年ぶり。直近では14年にメンテナンス施策に特化した建議をまとめてもらっている。
 《建議骨子案の要旨》
 ■メンテナンスのセカンドステージへ
 △適切な管理の持続に必要な予算を安定的に確保
 △技術者が不足する市町村に専門家を派遣
 △点検や補修の高度化・効率化に向けた入札契約制度充実や最新技術導入
 △有料道路で建設債務償還後も料金を徴収
 ■交通安全
 △連続立体交差事業の調査検討を集中支援
 ■防災・インフラ安全
 △無電柱化の低コスト手法導入に向けたモデル施工
 △地下埋設物工事による舗装劣化に対応
 ■交通円滑化
 △道路管理者が沿道への出店事業者から料金徴収
 ■人と物の流れ
 △基幹道路ネットワークの機能強化や重点投資
 ■モーダルコネクト
 △集約型公共交通ターミナルを戦略的に整備
 ■地域・民間との連携
 △道・駅・街が一体になった都市基盤整備

(日刊建設工業新聞様より引用)