竹中工務店/平面計画が三角形の高層ビル向けに3次元メガトラス架構開発

 竹中工務店は平面計画が三角形の高層ビル向けに「3次元メガトラス架構」を開発し、大阪市中央区の大阪商工信用金庫新本店ビルに適用した。特許出願済み。同じ場所にあった旧本店ビル屋上のレリーフを新本店ビル2階のパブリックスペースに復元するため、3次元(3D)レーザースキャナーを使用して芸術遺産の再現に成功した。3Dレーザースキャナーの建築装飾物への適用は初めてになるという。
 新本店ビルのデザイン上の特徴は三角形の平面形状。前面の大通りに向けて三角形の斜辺をファサードにした。四角形の平面形状の建物とは異なり、三角形の平面形状の建物では、直交する2辺方向と斜辺、直交方向すべての平面剛性をバランスさせるのが難しく、特に斜辺直交方向が構造的弱点になる場合がある。
 このプロジェクトでも建物の固さの中心(剛心)と建物の重さの中心(重心)を合致させる構造プランが必要となり、免震構造と、建物の頭部を強固にする3次元メガトラス架構を組み合わせ、地震力などが加わっても建物がねじれにくいようにした。
 まず免震構造で建物全体の平面的な剛性バランスによる影響を最小化。その上で、屋上の設備室に斜辺方向と、その直交方向の2方向にハットトラスを設け、節点を共有化。斜辺直交方向の地震や風荷重が作用しても、柱に加わる引き抜き力を分散し、効果的に揺れを低減させることに成功した。
 旧本店ビル屋上に設置してあったのは、建築家・今井兼次氏がデザインしたモザイクのレリーフ「糸車の幻想」。このイメージを3Dレーザースキャナーで復元再生する取り組みも行った。レリーフの実物を測定し、座標情報と色調情報を収集して忠実に再現した。
 新本店ビルの規模はRC・S造地下1階地上12階建て延べ9667平方メートル。設計・監理は安藤忠雄建築研究所、構造・設備設計と監理、施工は竹中工務店が担当し、今年5月に完成した。

(日刊建設工業新聞様より引用)