総務省/自治体施設の老朽化対策、地方債拡充で促進/庁舎建替や長寿命化改修にも

 総務省は17年度、地方自治体が公共施設の老朽化対策の財源確保で発行できる地方債を拡充する。17年度の地方債計画で、既存施設の集約・複合化などの財源として発行できる地方債「公共施設最適化事業債」の対象事業を大幅に拡大。名称を「公共施設等適正管理推進事業債」に改めた上で、市町村役場庁舎の建て替えやインフラの長寿命化改修などの財源にも充当できるようにする。
 17年度の地方債計画で公共施設等適正管理推進事業債の総額として3500億円を計上した。現行の公共施設最適化事業債の16年度の総額は2000億円だった。
 公共施設等適正管理推進事業債の対象事業には、現行の公共施設最適化事業債の対象である集約化・複合化事業などと、▽市町村役場機能緊急保全事業▽長寿命化事業▽立地適正化事業-の三つを新たに加える。
 市町村役場機能緊急保全事業は、昨年4月の熊本地震で多くの被災市町村の役場庁舎が損壊して使用できなくなった教訓を踏まえて導入。現行の耐震基準が導入された1981年以前に建設され、現行基準に沿った耐震改修が行われていない庁舎の建て替えなどにかかる費用に充当できるようにする。
 長寿命化事業では公共建築物全般で使用年数を法定耐用年数以上に伸ばせる改修などにかかる費用、立地適正化事業では中心市街地に職住機能を集約する「コンパクトシティー」づくりと連動する公共施設の移転整備などにかかる費用にそれぞれ充当できるようにする。
 いずれも地方債の充当率は90%で、元利償還金の30%を国からの地方交付税で措置する。国がすべての自治体に求めている「公共施設等総合管理計画」を策定することを発行の条件とする。
 総務省消防庁の調査では、災害時に対策本部が設置される全国の市町村役場庁舎(全6421棟)のうち、15年度末時点で24・5%に当たる1575棟が耐震化されていない。耐震化率を都道府県別の平均値で見ると、北海道(57・3%)と栃木(59・6%)、群馬(59・6%)、島根(57・6%)、岡山(59・2%)、山口(56・0%)、長崎(52・2%)の各県が50%台で低迷している。熊本県は82・7%だった。

(日刊建設工業新聞様より引用)