西武建設、岩崎/VR技術活用の安全教育システム開発/現場を3D再現、気づき体感

 西武建設とIT関連機器販売の岩崎(札幌市中央区、古口聡社長)は共同で、仮想現実(VR)技術を活用した建設現場の安全教育システムを開発した。ヘッドマウントディスプレーを取り付けると、3次元(3D)空間にいるような臨場感を得られ、クレーン災害と重機との接触災害や災害からの回避行動を体験できる。座学では得られない「気付き」を体感してもらい、現場の安全設備の見直しや危険予知レベルの向上に役立てていく。
 システムは、専用パソコン、VR周辺機器などで構成。初弾として、バックホウ編とクレーン編を用意した。3D映像は実際に起きた事故を基にしたシナリオで、バックホウ編では安全通路でのバックホウとの接触、クレーン編ではつり荷の落下による事故を体験できる。
 モーションキャプチャー機能により、自分の動作が3D映像に反映される。体験後になぜ災害が起きたかやどのような対策を講じるべきだったかなどを被災者の立場で議論することで、元請会社と協力会社が相互に理解を深めることにつながる。
 30日に東京都港区の岩崎東京支店で開かれた発表会で、蛯原巌西武建設土木事業部エンジニアリング部長は「未熟練者の教育に有効だ」、古口社長は「建設業界で普及させたい」と話した。
 システムを監修した関文夫日大理工学部土木工学科教授は「本来はあってはいけない環境で事故は起きている。安全教育を受けた人がみんなで議論することが重要だ」、菊一功安全総合調査研究会代表は「恐怖心を味わうだけでは駄目だ。安全意識の向上につなげてほしい」と強調した。
 今後は、土木に加え、建築現場の災害事例のシナリオを増やす。西武建設は9月にも現場へのシステム導入を始める。岩崎はシステムをパッケージにしたリース展開を計画している。

(日刊建設工業新聞様より引用)