設備工事各社/業容拡大視野にM&A検討/収益基盤強化狙い、異業種連携も

 設備工事各社が、設備工事以外の事業を拡大する取り組みを活発化している。将来的な受注競争の激化や工事量の減少を見据え、収益基盤を拡大・強化する狙いがある。施工を担当した建築設備の維持管理を担い改修や更新を確実に受注する取り組み、再生医療など成長が見込める分野への参入、異業種連携やM&A(企業合併・買収)による業容拡大といった動きが顕在化している。業界各社がどのような一手を打つのか、動向を注視する必要がありそうだ。
 建築設備の設計・施工に続く第2、第3の柱を創造する取り組みとして、高砂熱学工業の大内厚会長兼社長は「FM(ファシリティーマネジメント)とPM(プロパティーマネジメント)への取り組みを強化する」考えを明らかにする。工事受注だけでなく、ビルのライフサイクル全体に携わることで、長期にわたり収益を確保できるようにするのが狙いだ。
 ダイダンは空調設備技術を生かし再生医療施設分野での事業拡大を探る。神奈川県が開設した細胞培養加工施設(CPF)のオープンラボ「セラボ殿町」で、研究機関や企業との連携強化の道を探る。北野晶平社長は「多くの研究者や企業と連携を深めることで細胞加工環境の課題を抽出し、新たな研究開発につなげる」とし、「再生医療施設分野は事業の柱となるだろう」と成長に期待を込める。
 情報通信設備工事の分野では、M&Aの動きが活発化しそうだ。大手企業のトップは「通信会社の設備投資が人口減少などにより、大幅な増加が見込めない」と異口同音に将来を展望。業容拡大策としてM&Aを積極的に検討している。
 協和エクシオの小園文典社長は「M&Aのターゲットは電気や空調の設備工事の会社。通信工事と組み合わせることで、大きなシナジー(相乗効果)が生まれる」と見る。
 コムシスホールディングスの加賀谷卓社長は「設備工事をワンストップで受注できる体制を作りたい。電気や上下水道などを含め、総合施工力を強化し、競争力を高める。そのためには、M&Aを視野に入れている」と力を込める。

(日刊建設工業新聞様より引用)