都道府県/35団体が低入札に失格基準導入/総合評価のダンピング対策で、国交省調査

 都道府県が行う総合評価方式の入札で、ダンピング対策の低入札価格調査制度を適用する際、一定価格を下回る入札を失格とする「価格による失格基準」を35団体が導入していることが、国土交通省の調査で分かった。ただ調査基準価格と失格基準価格との幅が広い団体も多く、同省はダンピング対策の実効性を高めるため、失格基準価格を調査基準価格に近づけるよう求めていく。
 総合評価方式の入札に採用するダンピング対策として、地方自治法施行令は最低制限価格制度ではなく、低入札価格調査制度だけを認めている。国交省は9月に総務省と連名で「総合評価落札方式による入札における適切なダンピング対策の実施について」と題した要請文書を都道府県と政令市に送付。管内市区町村への周知も依頼した。
 要請は公共工事入札契約適正化法(入契法)に基づいて行われ、「低入札価格調査制度の活用と価格による失格基準の導入」「施工体制確認型総合評価落札方式の導入」の2点を求めた。
 国交省が都道府県の失格基準の運用状況について調査(10月時点)を行った結果、価格による失格基準を導入していた都道府県は35団体。うち予定価格の総額に対して基準を設定していたのは18団体で、内訳は予定価格の「0・85以上」が7団体、「0・85未満、0・8以上」が3団体、「0・8未満、0・7以上」が3団体、「0・7未満」が5団体だった。
 入契法に基づく入札契約適正化指針(01年3月閣議決定、14年9月改正)には、低入札価格調査の実施に当たって、価格による失格基準を積極的に導入・活用するとともに、その価格水準を低入札価格調査の基準価格に近づけると明記されている。失格基準が予定価格の0・7未満など低いラインに設定されると、調査基準価格との間に大きな開きが生じることから、国交省は、発注者の調査能力なども考慮して失格基準ラインを適切に設定するよう求めていく考えだ。
 一般的な総合評価方式の評価値算定式(技術評価点を入札価格で割る)では、調査基準価格以下でも入札価格が低ければ低いほど評価値が高くなる。そこで調査基準価格を境に評価値の算定式を変える方式を11団体が導入。低入札価格調査の運用面の工夫として、「調査基準を下回った者のうち最も評価点の高い者だけ調査を実施」「調査の資料提出期限を通知日の翌日から3日以内とし調査期間を短縮」「一定価格以上で入札した場合は調査項目を簡略化」などが行われている。
 要請文書には、入札参加者の施工体制を適切に評価することでダンピング受注を防ぐ直轄工事の施工体制確認型総合評価方式も参考にするよう明記。調査の結果、施工体制確認型を導入していた都道府県は14団体だった。低価格での応札者に対する施工体制確保対策として、「配置予定技術者の増員」や「入札参加の制限」「前払金の減額」などが挙がった。

(日刊建設工業新聞様より引用)