隈研吾氏/ものつくり大学特別講座で講演/新国立競技場の設計理念語る

 建築家の隈研吾氏(東京大学教授)が、ものつくり大学(埼玉県行田市、赤松明学長)と埼玉県経営者協会(上條正仁会長)が22日にさいたま市大宮区のパレスホテル大宮で開いた市民向けの特別公開講座で、「デジタルファブリケーション~新国立競技場から未来のものづくりに向けて~」をテーマに講演し、現在進めている新国立競技場の設計理念について語った=写真。
 隈氏は1964年の東京五輪で建設された代々木体育館との対比で新国立競技場の特徴を解説。「高度成長期に建設された代々木体育館は大型つり構造を採用し、『技術に裏打ちされた形のすごさ』を世界に発信した。それに対して新国立競技場は木を極力多く使い、『環境に溶け込むスタジアム』にする。リサイクル技術を活用して日本の環境技術の存在を示したい」と意気込みを語った。
 木の積極採用については「法隆寺五重塔では人の目に入りやすい軒裏での木材活用に留意している。将来のメンテナンスをよく考慮した構造を採用し、1400年以上持たせている」と法隆寺五重塔に触発されたことを明らかにした。
 新国立競技場は集成材と鉄のハイブリッド構造が採用される。隈氏は「内部はカラマツ、斜材はヒノキ、外壁、軒下にはスギを用いる。東日本大震災の被災県から積極的に調達する。床材にはリサイクル材を用いた緑化システムを採用したい。小さなポーラス(穴)の多い部材を採用し、打ち水の効果を高めることなども考えている」と具体的な構想を紹介。「コンピューター技術を最大限に活用し、シミュレーションを進めながら設計しているところだ」と話した。

(日刊建設工業新聞様より引用)