青木あすなろ建設/中低層S造向け露出型柱脚工法の開発進む/ボルトとプレート融合

 青木あすなろ建設が、10階建て以下の中低層S造建築物向けに新たな露出型柱脚工法の開発を進めている。アンカーボルトとベースプレートを組み合わせた複合型で、地震エネルギーを効率よく吸収できる。特殊な鋼材を使う既製品の露出柱脚と異なり、汎用的な鋼材で構成するため、施工コストを半分程度に抑えることが可能という。耐震性能の実証実験などを経て、今秋の技術評価取得を目指す。
 中低層のS造建築物の柱脚には、低コスト・短工期で施工できる露出型柱脚が使われるケースが多い。アンカーボルトの降伏で柱脚部の地震エネルギーを吸収する方法が一般的だが、地震の揺れでナットが緩むとエネルギーを吸収しなくなる。一方、ベースプレートは繰り返しの挙動には強いが、降伏挙動の予測が難しい点が課題とされる。
 そこで同社は、両方の利点を最大限に生かす複合型の露出柱脚を考案した。ベースプレートは二重にし、内側のプレートは四隅を取って八角形状にする。これにより、降伏挙動の領域を明確にできるという。
 外側は内側より薄くすることで、外側のプレートだけが変形するようにした。アンカーボルトは、内側は弾塑性要素の建築構造用ボルトを、外側にはプレートの相対変位を形成する要となる弾性要素のボルトを配置する。
 3日に茨城県つくば市の同社技術研究所で実大実験を開始した。S造の中低層建築物で一般的な1辺の長さが550ミリの角形鋼管柱を使用。プレートは内側が縦横850ミリ、厚さ60ミリ、外側が同1150ミリ、同32ミリのサイズにした。
 基本性能に加え、熊本地震で見られた複数回の大地震への対応性や被災後の継続使用性能を確認するため、一度力を加えた後、アンカーボルトの締め直し作業を行い、再び力を加えても所定の性能を満たすかどうかも検証していく。
 実験に立ち会った牛島栄執行役員技術研究所長は「工場や事務所ビルで実績を重ねるとともに、ボルトやプレートをパッケージ化し、製品として販売もしていきたい」と話した。

(日刊建設工業新聞様より引用)