鹿島ら4者/コンクリート耐凍害性を向上/合理的添加手法開発、寒冷地で効果実証

 鹿島は30日、岩手大学、日本大学、デンカと共同で、コンクリートの耐凍害性を飛躍的に向上させる新しい手法を開発したと発表した。アクリル系樹脂を原料とした微小な中空の球体である添加材を、ごく少量でも効果を発揮するよう方法を工夫してコンクリートに添加する。凍害に対する耐久性を示す耐久性指数が在来手法に比べ約10%向上。凍害によるひび割れや表面の剥離などを抑制できる。
 昨年7月に東北地方で施工中の造成工事で擁壁の一部に適用した。厳冬期を経た現在も凍害による劣化は発生しておらず、高い品質を維持できているという。
 寒冷地でのコンクリートの凍害は、コンクリート内部に含まれる水分が凍結(膨張)と融解(収縮)を繰り返す際の圧力の影響で発生する。対策として、AE剤(界面活性剤の一種)など化学混和剤を添加してコンクリート中に微細な気泡を作り、膨張・収縮の圧力を緩和する手法が一般的に用いられる。
 ただ、コンクリートの締め固め作業や硬化していく過程で気泡が消失することがあるため、コンクリート全体に適量の気泡を確実に残すには高度な技術が必要とされる。
 そこで、AE剤に代わる対策として、デンカが開発した材料「KIND AIR(カインドエア)」に着目した。カインドエアは、アクリル系樹脂を原料とした中空微小球で、コンクリートの締め固めや硬化の過程で消失しないのが特徴だ。
 添加量は、コンクリートの性能に影響を及ぼさないよう、コンクリート1立方メートル当たり1キロ程度とする。非常に軽量なため、添加する際に舞い上がらないよう水溶性の袋にこん包し、袋のまま生コン工場のミキサーや生コン車に入れる。これにより、最適な量のカインドエアをコンクリート全体に確実かつ均一に添加できるようになった。
 在来手法に比べ、材料費は若干増加するものの、コンクリート構造物の耐凍害性を高め、長寿命化による維持管理費の低減が期待できるという。

(日刊建設工業新聞様より引用)