鹿島/被処理水濃縮・乾燥工程向け新システム開発/加熱装置切り替え、低燃費実現

 鹿島は6日、廃棄物最終処分場で発生する浸出水や下水処理場・メタン発酵施設の脱水ろ過液、半導体・化学工場の廃水などから、塩分など異物を除去するための濃縮・乾燥工程に使う新しいシステムを開発したと発表した。濃縮の過程に応じて加熱装置を切り替えることで、濃縮処理を効率化・高速化。発生した蒸気を回収・圧縮し、熱として再利用することにより大幅な低燃費を実現する。運転コストの削減につながる。
 開発したシステムは「V-CyCle(ヴイシュクル)」という名称で、グループの鹿島環境エンジニアリング(東京都港区、池田豊社長)と共同開発した。
 濃縮・乾燥に使う従来の加熱設備として、蒸発器に接した「ジャケット式加熱器」と「外部加熱器」がある。ジャケット式加熱器は塩分が析出しても問題なく濃縮・乾燥を行うことができるが、熱交換速度が遅いという短所がある。一方、外部加熱器は熱交換速度は非常に速い半面、塩分が析出してしまうと、設備自体に悪影響を与えるという課題がある。
 そこでヴイシュクルは、濃縮の過程に応じて加熱設備の切り替えを可能にした。塩分濃度が低い段階は、外部加熱器で効率良く加熱。濃度が高まり塩分が析出する段階になると、ジャケット式加熱器による加熱に切り替え、そのまま継続して乾燥まで行う。
 これにより、一台の設備で効率の良い処理が可能となり、高速化と省スペース化を実現する。濃縮工程で蒸発した蒸気を回収して圧縮機で昇温・昇圧し、熱として再利用する「ヒートポンプ方式」を採用。加熱に必要なエネルギーを減らすことができる。
 一般的な初期濃度の浸出水を、汎用ジャケット式加熱器を使い処理した場合に比べ、設置スペースは約75%で済み、濃縮・乾燥工程のスピードは約1・5倍となる。燃料消費量は約3分の1、二酸化炭素(CO2)排出量は約2分の1に減らせるという。環境省の実証事業で、ヴイシュクルの小型機を製作し、燃料消費量やCO2排出量の低減効果を確認した。
 メーカーが製造し、鹿島環境エンジニアリングが販売・据え付けを担当する。鹿島は、運転コストの大幅な低減を売り込み、処分場や下水処理場など水処理を伴う施設の計画・建設、運営プロジェクトで積極的に採用を提案していく。食品や薬品、金属加工、半導体、化学工業など工業分野もターゲットに据える。

(日刊建設工業新聞様より引用)