この人に聞く/片平新日本技研社長・中村正人氏/合併新会社の方針は

 ◇道路周辺領域で事業開拓
 1日に片平エンジニアリングと新日本技研が合併し、新会社の「片平新日本技研」が本格始動した。社員数200人を超える新会社の指揮を執る中村正人社長は「道路、橋梁に強みを持つ交通インフラ総合コンサルタントを目指す」と強調。道路周辺領域での事業開拓と海外事業の拡大に注力し、将来的に片平グループとして売上高100億円を目指す。
 --合併新会社がスタートした。
 「両社は『道路の片平』、『橋梁の新日本』と評価されてきたが、新日本が得意とする鋼橋分野の国内発注量は20年前が年間80万トンに対して現在は20万トンに落ち込んだ。将来の国内インフラ市場の縮小をにらんだ体制強化と、インフラ需要が増加する海外での事業拡大を見据え、相互補完効果があるとみて1年前から統合交渉に入り、3月に新日本技研を完全子会社化した。最終的に合併を選んだのは、入札参加で業務の実績数や優秀表彰の回数が増え、受注機会を増やすことにつながると考えたからだ」
 --合併効果への期待は。
 「地方拠点が東北、中部、大阪、中国、九州の5支店となり、全国に18事業所を構えることになった。片平は中国地域にこれまで支店がなく、事業所もほとんど構えていなかった。新日本は東北と中国の両地域で業務実績が多く、地域的な補完効果が期待できる。新日本は構造分野に強く、両社の特徴を生かして多様な提案ができるだろう」
 「国内では長大橋の新設は激減しているが、海外は長大橋の新設需要がある。低価格で入札してくる中国や韓国に技術力で勝負できる数少ない残された分野だ。グループには売上高50億円の片平エンジニアリング・インターナショナルがあり、長大橋の分野で新日本の技術者を派遣し、受注に結び付けたい」
 --注力分野は。
 「創業の理念として『一人ひとりが積み重ねた新しい高度な技術を、発注者へパートナーとして提供する、自律した交通インフラ総合コンサルタント』を掲げた。調査、設計、運用、保全、施工管理、事業促進PPPなどの分野で受注を重ねるとともに、新たな事業領域としてまちづくりやコンセッション事業にも注力する。片平では事業促進PPPの実績が国内で4件、設計・施工管理一体業務も1件ある。まちづくりは専門部署を立ち上げ、既に小田原漁港整備や上野公園と駅を結ぶ広場などの整備を受注した。国内初の道路コンセッションとして注目を集めている『愛知道路コンセッション』にも参画している。今後はこうした実績をPRし、受注を拡大したい」
 --目指す将来像は。
 「まずは人材、技術力、組織力を強化し、事業領域を拡大する。これまで技術力強化のため、3次元(3D)スキャナーやドローン(小型無人機)、ETC2・0解析システムに投資しているが、今後はWi-Fiパケット分析ツールやCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)関連システム、舗装点検システムにも投資する。社員からアイデアを募り、自主研究も進めていく。2020年までの3カ年で売上高を現在の31億円から36億円に、社員数を現在の205人から225人に増やす。河川やダム、鉄道などの分野への進出に向けたM&A(合併・買収)も視野に入れ、将来的にグループで売上高100億円を目指す」。
 (なかむら・まさと)

(日刊建設工業新聞様より引用)