インフラ維持補修・更新費、今後40年で547兆円に/内閣府が初試算

 内閣府は29日、今後約40年間で必要になる公共インフラ施設の維持補修・更新費を初めて試算した。損傷などが起きた後に対処する「事後保全」手法を採用する前提で試算したところ、2015年度から40年間の累計で必要コストが547兆円に達すると算出した。全国で老朽ストックが増えている中、施設管理者に計画的かつ効率的な対策の実施を改めて促す参考データとして提示した。
 同日開かれた政府の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)で報告した。維持補修・更新費の試算は、全国で国や地方自治体の関係機関が管理している土木インフラ施設や建築物のストック量などを参考にしておおまかに行った。今回、郵便関係の施設分は含んでいないが、政府による国土交通省所管以外の施設も含む、ほぼすべてのインフラや建築物を対象にした試算は初めてになる。
 試算結果の内訳を見ると、15年度から40年間の累計額のうち、土木関連インフラ施設の維持補修・更新には399兆円、建築物の維持補修・更新には149兆円かかるとみる。
 インフラ施設全体の維持補修・更新費の伸び率を見ると、平均で15~20年度は3・1%(土木インフラ施設2・7%、建築物4・2%)、20~25年度は2・3%(同2・3%、同2・4%)、25~45年度は1・5%(同1・6%、同1・2%)、40~54年度は0・5%(同0・8%、同マイナス0・2%)と予測した。
 さらに内閣府は維持補修・更新費のピーク年度も予測した。インフラ施設全体と土木インフラ施設は約60年後の74年度、建築物は約30年後の45年度に迎えると予測する。
 15年度の水準と比較すると、インフラ施設全体の維持補修・更新費は1・78倍、土木インフラ施設は1・89倍、建築物は1・69倍増えるとみている。
 同日の経済財政諮問会議に臨時委員として出席した石井啓一国交相は、ストックの大半を占める同省所管インフラの維持管理・更新費の将来推計をできるだけ早期に試算する方針を表明した。
 経済財政諮問会議の民間議員はインフラ施設全体の長寿命化や複合化・集約化が維持補修・更新費用の軽減や支出の平準化などにつながると指摘した。

(日刊建設工業新聞様より引用)