カナツ技建工業、轟組/災害時応援体制で協定締結/地方建設業同士でバックアップ

 大規模災害の発生に備え、事業エリアの異なる地域建設会社が連携する取り組みが始動した。カナツ技建工業(松江市、金津任紀社長)と轟組(高知市、吉村文次社長)は16日、災害発生時の応援体制などに関する協定を締結。南海トラフ地震の発生リスクが高まる中、中国地方と四国地方の建設会社が災害時に工事遂行機能を相互にバックアップする。協定には資機材や人材の応援、被災地復旧工事でのJV結成などの内容も含まれる。復旧復興の担い手という建設会社の役割を果たす上で、今回の連携は新たな取り組みといえそうだ。
 16日にカナツ技建工業の本社で両社の社長による協定締結式が行われた。立会人として全日本漁港建設協会の長野章会長も出席した。協定には受注工事の遂行協力のほか、クレーンオペレーターを含む人員の確保、重機・車両や鋼材などの材料の調達などについて応援することも明記。被災地で復旧工事が発注された場合はJVを結成し、工事に対応することも盛り込んだ。
 協定項目は災害などで2社のうち一方が自社拠点での事業活動が不可能となり、もう一方に応援を要請した際に発動する。要請側が災害状況や必要とする人員の職種別人数、必要な資機材、活動内容などを盛り込んだ要請書を提出。要請を受けた側は応援業務に当たるという流れだ。
 今後は災害時にスムーズな応援体制を確保するため、定期的に人員や資機材に関する情報交換を行っていく。
 両社はこれまで、轟組の中国支店を通じてトンネル工事などで連携してきた。社長同士も全日本漁港建設協会のメンバーとして交流があったという。
 協定を結んだ経緯について、金津社長は「もし南海トラフ地震で(轟組がある)高知県が大変な状況になっても、当社がある山陰方面は大きな被害はないだろうから、応援できるのではないかという話になった」と説明。「災害時にスムーズに対応できる仕組みをつくるため、正式に協定を結んで取り組むことにした。今後は活発に意見交換をしていきたい」と話した。
 吉村社長は「南海トラフ地震が今後30年以内に発生する確率が70%から80%に引き上げられたこともあり、高知県全体が危機感を持っている。カナツ技建工業は船を持っているため、地震で道路が寸断された場合も航路から支援してもらえると期待している」とコメントした。

(日刊建設工業新聞様より引用)