コンサル・測量・地質調査業界/働き方改革に本腰/生産性向上と両輪で

 建設コンサルタントや測量・地質調査業界で今年、働き方改革と業務効率化に向けた動きが一段と加速する。多くのトップがICT(情報通信技術)、IoT(モノのインターネット)、人工知能(AI)など先端技術を各種業務に積極的に取り入れる生産性向上策と両輪で長時間労働を解消すると表明。若手人材の確保につなげる時短勤務と「利益と品質の両立」を目指し、制度と技術を融合した働き方改革がいよいよ本番を迎える。
 働き方改革で先行するのが大手コンサル各社。長大の永冶泰司社長は「社内のIT化を推進し、業務の効率化を追求する」と強調。残業時間を抑えた部署の社員に支給する「生産効率向上手当」を新設し、時短勤務を本格的に始動させた。建設技術研究所は社員が社外でも仕事がしやすくなるようサテライトオフィス、スマートモバイル、フリーアドレスを導入した。
 大日本コンサルタントは昨年8月に就業地選択制度を導入したのに続き、今年4月には就業時間と職域の選択制度、在宅勤務制度を導入する。本年度は中部と北陸の2カ所の支社をモデルとして業務量の削減や生産効率を高める各種施策の抽出・検証に取り組む。パシフィックコンサルタンツは午前8時半から午後9時半までの間で出社時刻を選択できる制度や、昼休み時間の選択制度、配偶者同行休職制度などを導入した。オオバは働き方改革と生産性向上を目指し、12月に本社を現在の東京都目黒区から千代田区に移転し、IT環境を充実させたオフィスに刷新する。
 測量・地質調査会社でも同様の動きが顕著だ。パスコは地域限定社員制度を新設した。古川顕一社長は「単純な配送作業、給与計算などの業務をアウトソーシングしたい」と述べ、派遣社員の活用や専門企業に外部委託するBPOなども検討する。アジア航測はテレワークの実験を開始し、モバイルワークも導入した。応用地質は在宅勤務制度や早出フレックスタイム制度を試行中。さらに昨年12月に社内の「働き方革命委員会」がまとめた答申を踏まえ、年内に設備投資を含め施策を実行に移す。
 制度面の充実を図るとともに、技術面から働き方改革を実現する取り組みも本格化してきた。業務の効率化で各社が期待をかけるのがCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)やAIなどの先端技術だ。
 日本工営は、重点研究テーマに「生産性向上に寄与する技術」を選定。グループの英建築設計会社BDPが保有するBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)のノウハウを、土木分野に活用して生産性向上を目指す。八千代エンジニヤリングは「CIM推進行動計画2020」を策定し、20年を目標に生産性を2割上げる取り組みをスタートさせた。柱の一つはCIMの活用で、5段階に分けて社員のスキルアップを図る。エイト日本技術開発は「CIM推進室」を新設し、業務の効率化を図る体制を整備した。
 オリエンタルコンサルタンツの野崎秀則社長は「IoT、AI、CIMなど新しい技術を導入し、プロジェクトの調査・設計・施工監理・運営管理という上流から下流までの業務を効率的に進める『垂直統合』の仕組みの研究開発を強化して実行に移す」と強調。日水コンは今年から各業務のルーティンワークにAIやIoTを活用して効率化を図るRPD(ロボティック・プロセス・オートメーション)の検討を行う。
 国際航業は大手電気通信会社などと組み、AIを使った生産性向上策の勉強会をスタートさせる。川崎地質はAI、IoTを活用して各種業務の処理能力を高める工夫を検討する。

(日刊建設工業新聞様より引用)