リニア新幹線/長大トンネル工事が本格化/発注・大深度地下手続き推進

 ◇27年開業目指し早期着工・貫通へ
 JR東海が進める「リニア中央新幹線建設プロジェクト」(東京・品川~名古屋)で、本線部の長大トンネルの建設工事が本格化している。土かぶりが1000メートルを超す南アルプストンネルの山梨工区は、14日から本坑の掘削作業を開始。中央アルプストンネルは初弾工事の安全祈願式が20日に行われ、工事に本格着手した。本線部のシールド区間のうち、品川と名古屋の大深度地下区間の認可申請手続きも大詰めを迎えており、2027年開業に向けて長大トンネルの早期着工・貫通を目指す。
 総工費5・5兆円を投じて建設するリニア新幹線の品川~名古屋間(延長約286キロ)では、長大トンネルやターミナル駅など工期が長く、施工難度の高い工事を中心に先行して発注が進む。
 最大の難所とされる南アルプストンネル(延長約25・0キロ)は3工区に分けて発注が完了しており、山梨、長野の両工区が着工済み。先行する山梨工区(延長約7・7キロ、施工=大成建設・佐藤工業・錢高組JV)は14日から本坑の掘削作業を開始している。
 山岳トンネルで南アルプスに次ぐ規模の中央アルプストンネル(延長約23キロ)は、発注業務を鉄道建設・運輸施設整備支援機構に委託し、複数工区に分けて工事を発注している。「中央新幹線、中央アルプストンネル(松川)外」工事(延長=中央アルプス部約4・9キロ、施工=戸田建設・あおみ建設・矢作建設工業JV)の安全祈願式が長野県飯田市内で20日行われ、式典に出席したJR東海の松野篤二常務執行役員は「松川工区は昨年12月に地元説明会を行い、安全祈願式を本日迎えることができたのは関係者の協力のおかげだ」とあいさつした。
 着工に当たり、鉄道運輸機構の竹津英二関東甲信工事局長は「地元の自治体、自治会と連絡を密に取って地域の声に耳を傾け、JR東海とも連携しながら工事を進める」と強調。戸田建設の秋場俊一代表取締役専務執行役員は「断層など技術的課題はあるが、技術をフルに使って課題を一つ一つ解決して進めていく」と意気込みを語った。
 本線部のトンネルでは最長の第一首都圏トンネル(延長約36・9キロ)、2番目の長さの第一中京圏トンネル(同約34・2キロ)では、大深度地下をシールド機で掘進して工事を進める。現地調査(井戸、地質調査など)や関係者との調整作業を経て、20日に両トンネルの大深度地下区間の使用の認可を石井啓一国土交通相に申請した。
 先行してシールド機の発進・到達立坑となる非常口の建設工事を推進中。両トンネル本線部のシールド工事の初弾案件は現在、発注手続きが進んでいる。

(日刊建設工業新聞様より引用)