レオパレス21/電債利用し協力業者の資金繰り支援/最短2日で売掛債権現金化

 賃貸住宅大手のレオパレス21が、電子記録債権を活用して工務店や資材業者など、中小の協力業者の資金繰り支援を始める。フィンテックベンチャーのTranzax(東京都港区、小倉隆志社長)が構築した「サプライチェーン・ファイナンス」と呼ぶ仕組みを使い、業者の売掛債権を最短2日で現金化する。受注債権を担保に公共工事の前払金のように着工時に資金を供給できる別のスキームも今後取り入れる。
 同社は首都圏を中心に、木造や軽量鉄骨の低層賃貸住宅を年間800棟ほど建設している。建設に携わる工務店、資材業者、設計者、地盤調査会社、備品調達など全国に数百社の協力業者を抱えて事業を展開。これらサプライヤーへの買掛金は常時150億円ほどで推移しており、期日現金一括払いの支払いサイトは30~70日で設定している。
 大手賃貸業界で初となるサプライヤーが持つ売掛債権を支払期日前に資金化するサプライチェーン・ファイナンスは、電子記録債権をTranzaxが設立した特別目的会社(SPC)に譲渡し、それを担保に融資するスキーム。中小企業への融資基準となる短期プライムレート(1・475%)よりも低い1・0%の金利で資金を調達することが可能となり、面倒な手続きもない。
 同社は、5月30、31の両日、支払いサイトが70日を中心に数十社の協力業者を集めた同スキームの説明会を開催。今月中に利用を希望する会社を取りまとめ、7~8月に本格的な資金繰り支援を始める予定だ。
 同スキームに続いて、Tranzaxが準備を進めるのは、「POファイナンス」と呼ぶ受注債権を担保化する仕組み。賃貸大手のレオパレス21の信用力を生かしながら、協力業者は着工時に請負金額の50%まで資金を得て、工事に必要な資機材の調達や運転資金に充てることが可能になる。とりわけ、建設職人のひっ迫が懸念される中、本来、公共工事のような前払金制度のない民間工事で着工資金が得られる効果は大きく、レオパレス21では「工事に必要な職人を囲い込むのにも利用できそうだ」(戦略企画部)とみている。
 Tranzaxは、POファイナンスの導入に向けて金融庁から認可を取得する準備を進めている段階。中小企業庁のプロジェクトに同スキームが採択されており、複数の金融機関が参加する実証実験も進行中だ。

(日刊建設工業新聞様より引用)