三井住友建設/FBG光ファイバーモニタリングシステム開発/橋梁の維持管理費削減

 三井住友建設は14日、橋梁の維持管理に使う「FBG光ファイバーモニタリングシステム」を開発したと発表した。点検箇所に取り付けるセンサーにさびる素材を使わないため、一度設置したら半永久的に使用でき、ランニングコストを削減できる点が特長。2016年に富山市と締結した橋梁維持管理に関する研究協力協定に基づき、供用中の橋で検証を開始。1年半を経過し想定通りの性能・成果を確認した。
 同システムは、光ファイバーによるセンシング技術の一つであるFBG(ファイバー・ブラッグ・グレーティング)を活用する。光ファイバーに刻み込んだ回折格子と呼ばれるFBG加工を施す。ここに温度や外力が加わると光ファイバーが伸縮し、FBGの間隔も変化することで対象物のゆがみや変化が把握できる。
 システムでは橋梁の重要点検箇所にこの光ファイバーセンサーを配置する。FBGの挙動を連続性のあるデータとして把握することで、マクロ的に既存橋梁の健全性を評価する。富山市での点検データは、神戸大学の森川英典教授との共同研究で評価し、健全性を検証する。
 2014年の道路法施行規則の改正で橋長2メートル以上の全ての道路橋に近接目視点検が義務付けられたため、点検コストが増加した。FBG光ファイバーモニタリングシステムの場合、初期コストは現行の近接目視点検と同程度。だがデータ収集時の作業用足場の設置や交通規制が不要となる。
 通常の点検よりコストが抑えられ、改正以前の遠望目視点検程度の費用で済む。さらに橋梁専門技術者が不在でも容易に作業ができる。
 システムはひずみを計測するSUSアンカー、SUSプレート、低融点ガラス固定、FBGスリット加工などで構成。実用化に向けて現在、複数の道路管理者と協議中だ。
 構造物の点検や診断にはひずみをモニタリングするセンサーモニタリングが有効とされる。一般的なセンサーは経年劣化するため定期的に更新する必要があった。今回開発したFBG光ファイバーセンサーは材料に光ファイバー、ステンレス、ガラスを使用。経年劣化する素材を含まないため、設置後は半永久的に使用できるメリットがある。

(日刊建設工業新聞様より引用)