主要ゼネコン/2次下請までの社保加入、17年度内達成見通し/本社調査

 主要ゼネコンの多くが、2次下請までの専門工事業者について、企業単位での社会保険加入率を17年度内に100%達成できる見通しであることが、日刊建設工業新聞社の調査で分かった。アンケートに回答した27社のうち22社が17年度までに達成可能と答え、このうちのほぼ半数は16年度内の達成も視野に入れていた。一方、ゼネコンと直接契約関係のない2次下請業者まで管理するのは難しいとの声もあり、1次下請を通じた2次以下の下請業者への加入指導が今後も必要になりそうだ。
 アンケートは主要ゼネコン29社を対象に実施。社会保険加入促進に対する方針や、現在と今後予定している取り組みなどを聞いた。27社が回答し、一部は土木・建築別に答えた。社会保険の加入状況については、今年9月末時点での加入率と、100%加入達成見通しの時期を、1次下請、2次下請でそれぞれ聞いた。
 1次下請の加入率は12社が既に100%を達成済みと回答した。95%以上も含めると24社に上る。国土交通省が「17年度をめどに許可業者単位で100%、労働者単位で製造業並み」という加入目標を打ち出していることもあり、「17年4月から未加入業者とは契約しない」との方針を掲げる社がほとんどで、全社が16年度内にすべての1次下請が加入率100%を達成できる見通しだと答えた。
 一方、2次下請の加入率が既に条件付きながら100%を達成済みと回答したのが安藤ハザマ。同社は「土木は15年度に達成済み。建築は主に発注している1次と普段取引のある2次に限る」とした上で、「1次を通じた加入促進を徹底。土木部門の特殊な専門工事で初めての取引になる未加入業者については、現場入場前の加入手続きを徹底している」と回答した。このほか、70~90%台の加入率と答えたのが19社、未定が3社、不明が1社、未回答が1社だった。
 2次下請の100%加入達成時期の見通しについては、16年度内と回答したのが鹿島、大成建設、清水建設、竹中工務店、三井住友建設、長谷工コーポレーション、戸田建設、五洋建設、佐藤工業など11社。これに17年度内達成を含めると22社となる。
 未加入の2次以下の下請業者への対応について、鹿島は「16年10月以降、2次以下の社会保険に加入義務のある会社で、未加入会社は下請にしないことを1次会社との見積もり(契約)条件にした」、大成建設は「1次に対する契約条件に、社会保険加入済みの企業と契約するよう求めている」、三井住友建設は「16年4月1日以降、1次に対して、2次以下の未加入会社とは再下請契約を締結しないことを見積もり条件・契約にしている」などと回答。見積もりや契約段階で未加入業者を排除する動きや、1次を通して2次以下の下請に加入を促す動きが広がっている。
 一方で、対応を未定としたゼネコンも少なくない。直接契約を結ぶ1次と異なり2次以下は社数も多く、直接的な指導が難しい上、定常的に取引のない会社については加入状況の把握がおろそかになる可能性があることなどが要因として挙がった。
 大林組や奥村組は、他社と同様に未加入の2次とは再下請契約を結ばないことを1次下請との契約条件にしているが、「当社の取り組みだけで解決・達成できる問題ではない」(大林組)、「1次を通して対応してはいるが、末端まで完全徹底させることは難しい」(奥村組)と回答。2次以下の未加入問題の解決は道半ばという認識が、元請側に少なからずあることが浮き彫りになった。
 国交省は、14年8月に社会保険に加入していない元請業者、15年8月には未加入のすべての1次下請業者を直轄工事から排除するなど、社会保険未加入対策を強化してきた。現在、この措置を2次以下の未加入業者にも拡大し、17年4月から適用することを検討している。ゼネコン各社には元請責任として2次以下への対応が引き続き求められることになりそうだ。
 《アンケートに回答した27社(50音順)》
 青木あすなろ建設、淺沼組、安藤ハザマ、大林組、奥村組、鹿島、熊谷組、鴻池組、五洋建設、佐藤工業、清水建設、大成建設、大豊建設、竹中工務店、鉄建、東亜建設工業、東急建設、東鉄工業、東洋建設、戸田建設、飛島建設、ナカノフドー建設、西松建設、長谷工コーポレーション、フジタ、前田建設、三井住友建設。

(日刊建設工業新聞様より引用)