九州整備局/赤谷川流域応急復旧工事(福岡県朝倉市)が概成/出水期控え安全度向上

 17年7月の九州北部豪雨により被災した福岡県朝倉市の赤谷川流域で九州地方整備局が進めていた応急復旧工事がほぼ終わり1日、報道関係者に公開された。下流側では応急的な流路を設けるなどして被災前と同等の流下能力を確保。上流側では流木を受け止める強靱(きょうじん)ワイヤネットを設置し、土砂の流出を抑える仮設構造物もほぼ完成した。出水期に備え進めていた応急的なハード対策は目標通りに進捗(しんちょく)が図られ、地域の安全度が向上した。
 応急復旧は河川法改正に伴う初の権限代行として県の要請を受け九州整備局が17年7月18日に下流側で河川の工事に着手。同8月15日には赤谷川の本川への流木や土砂の流出を防ぐため、上流側で緊急的な直轄砂防事業の工事に着手した。
 河川の応急復旧では出水があった場合に被害につながる可能性がある流木をできるだけ除去。出水による被害を防ぐため川沿いにある住居などは大型土のうなどを設置し保護した。
 氾濫した河川は平均で約4メートル掘り下げ、のり面に袋詰め玉石などを設置し応急的に流路を確保し、赤谷川の本川には上流からの土砂を受け止めるため、河川を横断する形でコンクリートブロックを積み上げた仮設の土砂止め工を2カ所に設置した。
 砂防関係では鋼製のリングを組み合わせた強靱ワイヤネットを赤谷川支川の乙石川や本村川などの5カ所に設置。コンクリートブロック積みの土砂止め工(遊砂地)を乙石川下流域、土砂捕捉施設を本村川に各1カ所設置した。これらとは別に1カ所で施工中の砂防ソイルセメント工法による土砂捕捉施設は本体工事を完成し、仕上げ段階に入っている。
 このほか同市杷木松末地区の3月に閉校した松末小学校の施設はコンクリートブロックなどで保護。県道52号を保護するためのコンクリートブロック積みの導流工なども設置した。
 九州整備局によると同日までに応急復旧で搬出した土砂は約6万立方メートル、撤去した流木は約3万2000立方メートル。仮設構造物に使用した2トン、4トンのコンクリートブロックは1万個以上に及ぶ。本年度の応急復旧の河川関係工事は井樋建設、濱崎建設、宝栄工業、砂防工事は飛島建設が担当。
 九州整備局九州北部豪雨復興出張所の古賀満所長は「出水期までに何とか計画通りの施設を完成することができた。(休日返上で工事に当たった)建設業者には頭が下がる思いだ。出水期を乗り切るため、絶えず現場を見て、注意しながら完成した施設の維持管理や必要な工事を進めたい」と話した。
 出水期後の本復旧については「砂防分野と河川分野が連携し、知恵を絞りながら、段階的にでも被害が減り、効果が出るように進めたい」と力を込めた。

(日刊建設工業新聞様より引用)