五洋建設/変形追随遮水工法向け新材料開発/主原料に石炭灰、海面灰処分場建設へ提案

 五洋建設は27日、管理型廃棄物処分場の遮水工法「変形追随遮水工法(クレイガード工法)」向けに、新しい土質遮水材料を開発したと発表した。主原料を従来の浚渫工事などで生じる粘性土から、石炭火力発電所から排出される石炭灰(フライアッシュ)に変更。海面に造る灰処分場の建設にこの材料を使ったクレイガード工法を適用することで、最終処分する灰の量を減らすことにもつながる。主材料を代えても従来と同等以上の性能と施工性を確保できるという。
 クレイガード工法は、浚渫工事などで発生する粘性土に、ベントナイトを添加・混合した土質遮水材料を使用し、底面遮水工や側面遮水工を構築する技術で、14年に実用化された。
 この土質遮水材料は粘性土の持つ可塑性を利用しており、材料に変形を与えてもひび割れを生じることなく変形に追随する。このため、地震や廃棄物の埋め立てに伴う荷重により、地盤や護岸に変形が生じても遮水性能を保持することができる。
 材料劣化がほとんどない無機材料のみで構成されるため、長期耐久性にも優れる。現在までに7カ所の海面処分場で合計24万立方メートルの施工実績がある。
 新たに開発した土質材料は、1立方メートル当たり、石炭灰を約600~700キログラム、ベントナイトを約200キログラム、重金属不溶化剤を石炭灰質量の3~10%添加・混合することで、粘性土を主材料とする土質遮水材料と同等以上の遮水係数を実現する。同時に、石炭灰に含まれる重金属類の溶出も環境基準以下に抑制できる。
 実大規模の施工実験も行い、ポンプによる圧送、トレミー管による水中打設など従来と同等の施工方法で施工性を確保できることも実証した。
 沿岸技術研究センターの「平成27年度下期港湾関連技術確認審査・評価委員会」(委員長・善功企九州大大学院工学研究院特任教授)の確認審査と評価を経て、クレイガード工法の変更部分として評価証を取得した。
 同社は、石炭火力発電所から排出される石炭灰を有効活用するため、粘性土の代わりに石炭灰を主材料とした土質遮水材料の検討を進めていた。

(日刊建設工業新聞様より引用)