佐藤工業/手押し型LSでトンネル内空を3D計測/計測作業時間を6割削減

 佐藤工業は19日、地上移動体搭載の手押し型レーザースキャナー(LS)を使い、トンネル内空を3次元(3D)計測する技術の有用性を確認したと発表した。施工中のトンネルを対象に地上固定型LSと同じ条件で計測した結果、同程度の精度を確保した。計測作業時間は6割以上削減できたという。今後、複数の施工現場で実証実験を重ね、さらなる精度の向上を目指す。
 計測は同社が施工している熊本県内のトンネル(延長1・6キロ)で、IT関連機器の販売などを手掛ける岩崎(札幌市中央区、古口聡社長)と共同実施した。計測にはライカジオシステムズ(東京都港区、日比孝典社長)の手押し型LS「Leica ProScan」と、地上固定型LS「Leica ScanstationP40」を使用し、その精度や計測時間を比較した。
 手押し型は3DLSを搭載した台車を手で押しながら計測。トンネル内では衛星測位システム(GNSS)を捕捉できないため、トータルステーション(TS)を使って機器の位置を取得した。計測時間を比較すると、地上固定型は基準点になるターゲット2点の設置を含めて8時間かかったのに対し、手押し型は2・5時間で完了し、作業時間が6割以上削減できた。計測精度も地上固定型と同程度を確保した。地上固定型では機器を設置した地点の転群データが影になり、取得できないという欠点があった。手押し型では転群データが欠損せずに計測できることも分かった。
 佐藤工業によると、手押し型を使用することで計測時間削減の効果が得られやすくなるのは、トンネル延長が500メートル以上からという。今回の実験は路盤工を終え、ある程度整備された状態のトンネルで実施した。今後は「路盤工が終わっていない状態でも高い精度で計測できるようにすることを目指す」(土木事業本部ICT推進部)としている。

(日刊建設工業新聞様より引用)