先端建設技術センター/民間建築の発生土、スマホで運搬経路追跡/システム開発に着手

 先端建設技術センター(佐藤直良理事長)は、民間の建築工事で出る建設発生土の運搬経路をたどるトレーサビリティー(追跡可能性)システムの開発に着手した。発生現場から仮置き場や土質改良プラントを経て、受け入れ現場や処分場まで運搬する車両をスマートフォンを用いて追跡。発生土の有効・適正利用の推進に役立てる。国土交通省の支援を受けて2カ年で開発し、19年度以降の実用化を目指す。
 開発するシステムでは、運搬車両ごとにICカードを発行。発生現場、中継地点(ヤード、プラント)、発生土受け入れ地(受け入れ現場や処分場)ごとの管理者が持つスマホにICカードをかざすなどで、運搬車両がどこから出発し、最終的にどこに到達したかを効率的にリアルタイムで追跡する。
 発生現場の工事概要や土質、土量など必要なデータをあらかじめシステムに記録。車両の追跡情報とひも付けし、発生土が適正に利用されているかどうかを確認できるようにする。
 指定処分が原則の公共工事では、発注者から発生土の搬出先が指定され、伝票によって搬出実績も確認されているが、小規模現場も多い民間建築工事などでは下請の土工会社に発生土の搬出先確保や運搬が一任されていることが多く、発注者や元請が最終的な行き先まで確認することは少ないという。こうしたことが一因となって、民間工事の発生土が無許可で投棄されるなど不適正に処理されるケースも発生している。
 トレーサビリティーシステムの開発は、発注者、元請、土工会社などの関係者が連携して搬出先確認をリアルタイムで行い、有効・適正利用を推進するのが狙い。スマホやICカードなど既存技術の組み合わせにより、できるだけ簡単に利用できるシステムにする。三連伝票などを使う既存の手法より低コストで効率的に追跡できるようにし、現場の書類も削減する。中小建設業者の利用も視野に入れる。
 同センターが事務局を務める建設副産物リサイクル広報推進会議は16年度に民間工事の発生土の流動実態調査を自主研究として実施。その結果を踏まえ、17、18年度の2カ年でシステムを開発することにした。
 同センターと自主研究メンバーの前田建設、日本能率協会が共同で開発を進める。10月にも設ける有識者会議の助言を受けながら、17年度に基本的な開発を完了させて予備実験を実施し、その結果を18年度のシステム修正に反映。実際の現場で1カ月ほどかけた実証実験を行い、19年度以降の実用化を目指す。第三者機関によるシステム運用も視野に入れ、社会問題化している発生土の不適正処理の解決につなげる考えだ。
 国交省の建設技術研究開発助成制度を活用。17年度分として980万円が交付される予定だ。

(日刊建設工業新聞様より引用)