全建/将来展望で骨子案/生涯託せる職場に、地域建設業の使命など検討項目列挙

 全国建設業協会(全建、近藤晴貞会長)は、「将来展望策定専門委員会」(委員長・一色眞人西松建設取締役)が5日開いた会合に、地域建設業の課題と対処方針、事業・経営の方向性をまとめる「将来展望」の骨子案を提示した。議論のたたき台として、地域建設業の使命、競争力や生産効率に優れる経営体の構築など複数の検討項目を列挙した。将来展望は18年2月に素案を示し、4月の理事会で最終案を決定する。
 専門委の会合は8月の初会合以来となる2回目。東京・八丁堀の東京建設会館で開いた。骨子案は▽序章▽取り巻く現状▽期待される役割▽活躍が期待される建設市場▽地域に求め続けられる地域建設産業であるために▽建設業協会の役割と今後の活動▽結び-の7項目で構成。それぞれに「暮らす地域を知るプロフェッショナルとしての受注と発案」「従業員を育て、雇用を守り、生涯を託せる職場を提供する責務」「確固たる事業経営を構築」「建設業の果たしている役割に対する理解者・応援団の確保・拡大」といった検討項目を挙げた。
 同日の会合では、地域建設業のあり方について、「生産性向上や働き方改革をチャンスと捉える活動」や、「生産効率に優れた経営体でなければ存続が難しいことの認識」を求める意見、増加する維持更新需要への向き合い方の整理、企業を適切に評価した上での保護政策が必要といった意見が委員から出た。再編・統合を含め地域を守る方策の選択肢に言及する意見もあった。
 協会に関しては、地域建設業の優良な取り組みを水平展開する機能の強化や、くじ引きによる落札者決定など「おかしいと思っている事象の是正」に力を入れるよう求める声も上がった。建設業や社会資本の役割を理解してもらうため、業界向けと一般向けのメッセージを書き分ける案も浮上した。
 将来展望は、地域建設業と全建、全建傘下の都道府県建設業協会が直面する課題を整理した上で、処方箋とともに変革の方向性や活動の展望などを盛り込み、「地域建設業の指針」(伊藤淳全建専務理事)として活用する。専門委は必要に応じ会合を複数回開くことも視野に入れている。
 《骨子案に示した主な検討項目》
 △地域に精通した建設プロフェッショナルとしての公的・社会的使命
 △暮らす地域を知るプロフェッショナルとしての受注と発案
 △従業員を育て、雇用を守り、生涯を託せる職場を提供する責務
 △事業拡大が期待できる分野のある建設市場
 △地域をよく知る企業・職員の強みを最大限発揮・活用
 △優れた仕事の完成による信頼獲得
 △災害等緊急時の体制確保
 △競争力を備えた経営体
 △生産効率の良い経営体
 △都道府県建設業協会の役割(災害時の司令塔、理解・信頼確保、理解者・応援団の確保)
 △全建の役割(各協会の活動を推進するエンジン、建設業・社会資本整備の広報、関連団体・業界とのタイアップ)

(日刊建設工業新聞様より引用)