全建/技能者能力評価で初の会員調査結果/一律評価の仕組みなし、「奥行き」測れず

 全国建設業協会(全建、近藤晴貞会長)は、技能者の能力評価に関する初めての調査結果を明らかにした。評価制度を運用する企業はあるが、特定職種の技能者を経験などに関係なく評価したり、資格・経験などから一律に評価したりする制度を運用している企業は回答ベースではゼロだった。重視するポイントが入職年数によって異なることも分かった。
 調査は、建設キャリアアップシステムを生かした技能者の能力評価を巡る国土交通省の検討に役立てるのが狙い。労働委員会(委員長・中筋豊通島根県建設業協会会長)のメンバー17社(8社は平均完工高100億円以上)が17年12月時点の状況を回答した。
 技能者の能力評価制度を運用しているのは9社。対象は直用だけが2社、直用・下請技能者が2社、直用・下請技能者・一人親方が1社。残り4社のうち3社は現場から推薦のあった職長などを評価していた。9社のうち7社は、評価結果を処遇に反映させていた。
 評価内容については、技能・経験や職種に関係なく評価を行う社や、一定以上の技能・経験を持つ人を特定職種で評価している社などがあった。だが、特定職種の技能者を技能・経験に関係なく評価対象にしている社は皆無だった。資格・経験・就業実態などを考慮したり、品質・施工スピード・段取りといった技能のレベルに加えて、現場への貢献度も評価していたりする社はあるが、資格や経験などから一律に技能者を評価する仕組みを整えている社はなかった。
 評価の重視ポイントは▽入職2年前後▽入職10年前後▽50歳前後-に分けて調査した。2年前後は免許・資格、スキル(施工上の技能・技術)、知識(施工方法などの知識)を挙げる社が35~41%にとどまる一方、「働きぶり(現場での実践力・応用力)」を重視する社が70%を超えた。10年前後は、免許・資格、スキル、知識、働きぶりが70%以上。50歳前後は、スキル、知識が70%以上で「後進の育成・指導力」が40%を占めた。自由意見では、職長は工程・施工管理と安全衛生、専門工事業者は工程・工期管理、品質確保を評価のポイントに挙げる社が多かった。
 技能者には、施工量だけでなく現場のトラブルを解決する能力なども求める建設会社が少なくない。全建は、評価制度に期待しつつも、資格や経験では測れない「技能の奥行き」の評価も必要と考え、制度の構築を慎重に進めるよう求める構え。時間をかけた段階的な対応も必要と見ている。

(日刊建設工業新聞様より引用)