六本木ヒルズ(東京都港区)が開業15周年/森ビル、自治会との連携でにぎわい創出

 多様な都市機能を集約するコンパクトシティーの先駆けとなった「六本木ヒルズ」(東京都港区)が25日に開業15周年を迎える。来街者は年間平均約4000万人、累計で6億人に上る。誕生から15年もの間、多くの人々を引き付け、魅力を発し続ける秘訣(ひけつ)とは-。
 多くの人が集まる六本木ヒルズ。その鍵を握るのは開発を主導した森ビルが取り組んだ、多様な用途の施設を一つの街と位置付け、事業者や住民が連携して運営する「タウンマネジメント」の導入や、パブリックアートの設置など「文化」に焦点を当てた街づくりだ。
 六本木ヒルズは12ヘクタールもの広大な敷地に「六本木6丁目地区第1種市街地再開発事業」によって創出された。住宅、オフィス、商業施設、ホテル、美術館や映画館などの多彩な機能が集積している。敷地が広大な分、地権者が約400世帯もあり、根付いていたコミュニティーが再開発後も引き継がれているため、住民による自治会活動が活発だ。
 再開発組合を源流とする「六本木ヒルズ自治会」(事務局=森ビルタウンマネジメント事業部)は、住民のほかヒルズ内の店舗やオフィスの従業員が参加。コミュニティーの結束や街のにぎわいを次世代に継承しようと積極的に活動している。
 自治会が主催するイベントで、最も長く続いているのが毎月第3土曜日に開かれる「六本木クリーンアップ」だ。六本木ヒルズ周辺を清掃する活動で、これまで140回以上実施し、延べ1万6500人以上が参加したという。21日にも行われ、約150人が清掃活動に汗を流した。参加者の一人は「イベントによってコミュニティーの輪が広がり、今では活動で知り合った方々と旅行に行くほど。六本木ヒルズが大好きだ」と語る。
 このほか、毎年森ビルと自治会が連携し、震災訓練なども実施。両者が再開発の完了後も手を携えて街の運営に取り組むことが、にぎわいと魅力の創出につながっている。森ビルのタウンマネジメント事業部運営部六本木ヒルズ運営グループ小池友和氏は「『六本木ヒルズ自治会』が発足し、15年になろうとしている。もともとの地権者に加え、新たな居住者やオフィスワーカーなども参加し、実に多様なコミュニティーが誕生、深化してきた。これからも地域の皆さんと、六本木の街を盛り上げていくことができれば」と意欲的だ。
 「文化都心」をコンセプトとする六本木ヒルズにとって、アートも重要な要素の一つだ。開発に当たり、六本木ヒルズの中核施設・森タワーの最上部に森美術館を配置。66プラザ(広場)にある象徴的なクモのアート「ママン」をはじめ、多数のパブリックアートを敷地内にちりばめ、来街者が気軽に文化・芸術に触れられるようにした。
 こうした取り組みに呼応するように、六本木エリアには大小さまざまな美術館、ギャラリーが集結。2009年からは六本木の街全体を舞台に文化・芸術イベントを展開する「六本木アートナイト」を開催するなど、アートの街としてイメージが定着しつつある。
 現在も都心部で大規模開発が相次いで進められているが、開発の完了後もにぎわいや魅力を維持し、進化させていくことが求められる。今後もその先進事例として、六本木ヒルズは持続可能な街づくりの在り方を体現し続けるだろう。

(日刊建設工業新聞様より引用)