利根沼田アカデミー/メーカーと連携し省力化工法開発へ/開発通じ建設業の魅力PR

 群馬県沼田市の職人育成校、利根沼田テクノアカデミー(桑原敏彦校長)は18年度、活動の新機軸として資機材メーカーと連携した省力化工法の開発に乗りだす。伝統的な技術・技能の伝承を行いながら、生産性を高める工法の開発を通じて、若い人たちに建設業の面白さをPRして入職を促す。メーカーにとっても工法や商品の拡販契機になりそうだ。
 4月に関係するメーカー各社を集めたキックオフ会議を開催し、連携を本格始動する。建設業の若者離れが深刻化する中、これまでも訓練カリキュラムに取り入れていた商品開発に一段と力を入れ、若者に魅力を伝えていく。
 具体的には、商品開発の授業で訓練生が出したアイデアを生かした省力化工法を、メーカーと連携で開発する。労働人口が減少する中でも、少人数で作業効率が上げられるような技術の実用化を目指す。開発した工法が扱える人材育成をアカデミーで実施することで、メーカーの販路開拓にも役立てる。インターネット交流サイト(SNS)などで情報を発信し、建設業のイメージアップ戦略も推し進める。
 アカデミーではこれまでも、板金屋根施工を省力化する「テクノキャリー」、太陽光発電とガス発電、蓄電を組み合わせた「沼田オフグリッドモデル」、破砕瓦(シャモット)を水道の埋め戻しに活用するなどの技術を考案。沼田オフグリッドモデルは国内だけでなく、フィリピンやベトナムでの需要拡大にも努めてきた。今後、メーカーと連携し開発した独自工法をアカデミーが認定する仕組みも構築していく考えだ。
 16年4月に開校したアカデミーは、市内の廃校小学校の校舎を拠点に建設会社に入職したての若手を受け入れ、3カ月の訓練で即戦力の人材に鍛え上げる。16年度は板金と瓦の2コースで外国人技能実習生を含めた24人、17年度は大工と水道設備を加えた4コースで22人を輩出。18年度は左官コースも加わり、現段階で18人が参加予定だ。
 17年度は市内の別の廃校も確保し、小型無人機(ドローン)技能訓練校の運営もスタート。この取り組みを一歩前進させ、土木で先行するICT(情報通信技術)施工の建築版の開発にも取り組むという。
 アカデミーを巣立った人材は、それぞれの所属会社で活躍中。「離職者を出していない」(桑原氏)など一定の効果を出している。メーカー連携という新機軸で、入職者の確保が厳しさを増す現状を打開していきたい考えだ。

(日刊建設工業新聞様より引用)