前田建設/木造建築で3Dプリンター活用/BIMを補完、プレゼンや現場支援で効果

 前田建設が、木造建築プロジェクトで3次元(3D)プリンターを積極的に活用し、成果を上げている。木造建築は複雑な軸組みや意匠が少なくないため、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)とともに、3Dプリンターで模型を作り、施主へのプレゼンテーションや現場の支援に役立てている。14年7月に竣工した岩手県住田町の新庁舎など、木造建築での導入は6件に上る。
 3Dプリンターの国内販売実績20年以上の丸紅情報システムズ(東京都新宿区、伊吹洋二社長)が建設業界向けの3Dプリンターのセミナーを27日に開き、前田建設建築事業本部企画・開発設計部BIM設計グループの綱川隆司グループ長が、同社の3Dプリンター導入の経緯や今後の展望などを語った。
 同社は、2000年代初頭に3D化やデジタルエンジニアリングへの取り組みを始め、08年度に樹脂系の3Dプリンターを導入した。研究施設や事務所ビルなどの受注に向けたコンペや施主へのプレゼンテーションのほか、複雑な形状の施工をする現場の支援などに役立てている。
 住田町新庁舎は、木造ながら約22メートルスパンの無柱空間を造ったのが特徴で、第57回「BCS賞」を受賞している。直近では、東京都内の大学で木造4階建ての施設の施工を手掛け、特徴的な外装の施工イメージを把握するために3Dプリンターで模型を作った。綱川氏は「3Dを平面モニターで確認すると分かりづらい部分がある。3DプリンターはBIMを視覚化する一つのツールだ」と強調する。
 建築基準法の改正や林野庁の施策などを受け、木造建築の需要は伸びている。同社も木造建築を主要な受注ターゲットの一つに据えている。木造建築はデザインの自由度が高く、クリアランス(隙間)1ミリという高精度の施工を求められるケースもあり、形状を再現するには3Dプリンターが欠かせないという。
 綱川氏は「現在は造形に30時間かかる場合もある。スピードアップと材料など消耗品のコストダウンが進めば、3Dプリンターの活用の場はさらに広がっていくのではないか」としている。

(日刊建設工業新聞様より引用)