厚労省/フルハーネス型安全帯着用、5m程度以上で義務化/胴ベルト型は性能基準強化

 厚生労働省は、建設現場の高さ5メートル程度以上の場所で作業員が着用する安全帯について、胴体部全体を支持するフルハーネス型の着用を義務付ける方針を固めた。同程度以下の場所の作業では、安全性能を高めるなどの条件付きで引き続き胴ベルト型の着用も認める。フルハーネス型の国際規格は欧米人の体格に合わせているため、日本人の体格に合わせた例外規定も一部設ける方向だ。
 17年度中に労働安全衛生規則(安衛則、省令)を改正し、高所作業の安全帯の着用に関する新たなルールを規定。18年度初めごろまでに告示を改正して安全帯の構造規格を定める。十分な準備・猶予期間を確保するため、省令は公布から数年以内、告示はおおむね半年以内にそれぞれ施行する。併せて、18年度初めごろまでにフルハーネス型などに関する日本工業規格(JIS)の改正も目指す。
 新たなルール案は、建設業団体などの専門家で組織する「墜落防止用の個人用保護具に関する規制のあり方に関する検討会」(座長・豊澤康男労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所長)が1日にまとめた最終報告案を踏まえて詰める。
 新たに高さ5メートル程度以上の作業でフルハーネス型の着用を義務付けるのは、この高さからの墜落・転落時に身体にかかる衝撃の分散効果が大きいため。この高さ基準は有識者検討会の最終報告案には明示されていないが、同省はこれまで建設業団体に行ってきた聞き取り調査を踏まえて方針を固めた。
 フルハーネス型の構造規格は比較的大柄な欧米人の体格に合わせた国際標準化機構(ISO)の運用規格に合わせて見直す。作業の汎用性などを考慮し、比較的小柄な日本人の体格に合わせた例外規定も一部導入する。墜落・転落時に身体にかかる衝撃荷重を低減させる装置「ショックアブソーバー」について、ISO規格だと体重100キロに対応した重量の装備しか認められていないが、これを体重85キロに対応する装備も認める方向で検討する。
 一方、高さ5メートル程度以下の作業で引き続き着用を認める胴ベルト型は新しい条件を設ける。一般的に8キロニュートン(N)以下となっている落下・転落時に身体にかかる衝撃荷重の抑制性能を厳しくし、新たに4キロN以下に抑えられるようにする巻き取り式ランヤードやショックアブソーバーの使用などを条件化することを検討する。

(日刊建設工業新聞様より引用)