厚労省/一人親方の労災保険加入促進/効果的な周知方法検討、職人基本法受け活動強化

 厚生労働省は、建設現場で働く「一人親方」に労災保険への特別加入を促す積極的な周知活動に乗りだす。本年度に特別加入制度に関するリーフレットを作成。未加入の一人親方の目に留まるようにするには、どのような方法が効果的か、実態調査を通じた検討も併せて行う。法律上の「労働者」には該当しない一人親方の安全と健康の確保に向け、任意の特別加入制度の周知に努め、加入促進に力を入れていく。
 労働法制上の保護対象となる労働者には該当しない一人親方は、本来は労災保険の対象にはならない。このため、本人が加入を希望する場合は、「特別加入者」として任意加入する必要がある。
 厚労省ではこれまで、建設現場の作業に従事する一人親方や自営業者などにも労災保険への加入を促すため、制度の内容を解説した「特別加入制度のしおり」を作成し、各地の労働基準監督署などに置いて配布してきた。
 こうした取り組みの成果もあり、建設業の一人親方の特別加入は、2000年度21万人、05年度27万人、10年度36万人、15年度42万人と着実に増え、16年度には45万人に達している。16年度段階で63万人いるとされる一人親方に占める特別加入の割合は7割。ただ残りの3割は、民間の保険に自主的に加入しているか、未加入のままとなっていることになる。
 政府が9日に閣議決定した建設職人基本法に基づく基本計画では、一人親方に特別加入を促していくことを、建設従事者の健康と安全を確保するための施策の柱の一つに位置付けた。これを踏まえ厚労省は、労災保険に特別加入していない一人親方を対象にアンケートを実施し、加入していない理由を把握。どのように制度を周知すれば加入者が増えるかを検討する。
 こうした調査の結果も基に、特別加入制度の内容を分かりやすく説明するリーフレットが、どうすれば現場の末端で働く一人親方の目に留まるかを摸索。元請のゼネコンや建設業界を所管する国土交通省の協力も仰ぎ、配布方法の工夫や、現場の目に付きやすい場所への掲示依頼などを検討する。
 労災保険の特別加入制度を周知するために厚労省は、17年度予算で34百万円の経費を確保。貨物運送業、大工・左官・とび・石工といった建設業、林業などの業界に存在する一人親方向けのリーフレットを作成、配布することにしている。建設業に従事する一人親方については、建設職人基本法が施行されたことを踏まえ、特別加入に向けた広報活動に特に力を入れて取り組むとしている。

(日刊建設工業新聞様より引用)