回転窓/アイデアで道を切り開く

 専門工事会社に40年以上勤めたMさんは、その大半を重機オペレーターとして過ごし、ダムをはじめとする日本全国、そして海外の大規模現場も渡り歩いた経験を持つ。厳しい自然条件もさまざまな工夫で乗り越えてきた▼現場に出向くとMさんはまず、そこがどういう状況かをつぶさに見る。山奥の現場なら樹木の生え方や岩の向きなども観察。そこからどう施工するかを熟考していると気付かなかったアイデアが浮かんでくるそうだ▼それは技術開発のような華々しいものではないが、豊富な経験から生まれた「根拠を持った施工のやり方」に他ならない。採算が厳しいと言われていた工事でもアイデア次第で状況が一変することもあった▼現場の最前に立ち続け、長い時間を掛けて積み上げる経験だけでなく、「何事にも興味を持つ」ことが大切だという。アイデアの源泉がここにある。これは世の中がどんなに便利となっても変わらないものであろう▼建設工事に限らず、困難に直面した時こそそれまで培ってきた経験と知識に裏打ちされたひらめきを生み、逆境を乗り越える大きな力になる。Mさんにあらためて教えられた。

(日刊建設工業新聞様より引用)