回転窓/帰宅困難への備え

 勤務先から徒歩で帰宅するとしたら、一体どれくらいの時間がかかるのか。東日本大震災が起き、多くの人が一度は考えたことだろう。今週11日に震災発生から6年を迎える▼あの日、大規模な地震で電車やバスが止まり、都内では歩いて帰宅を急ぐ人たちが車道にもあふれた。いわゆる帰宅困難者は首都圏で約500万人に上ったとされ、震災で得た大きな教訓の一つとなった。東京都は13年4月、帰宅困難者対策の条例を施行した▼大都市圏でマグニチュード7クラス以上の地震が発生し、圏内の鉄道・地下鉄は少なくとも3日間停止する-。こうした状況を前提にした内閣府の帰宅困難者対策ガイドラインも15年3月に策定されている▼震災以降、帰宅困難者のために開放可能な一時滞在スペースの確保や緊急物資の備蓄などが進み、災害時に舟運を有効活用しようとの取り組みも見られる。官民挙げた対策は着実に進展しているものの、いまだ十分とは言えないのが現状だ▼首都直下地震が起きた場合に想定される帰宅困難者は東京都内だけで約490万人。その一人になったらどうするか。日頃の備えを怠りたくない。

(日刊建設工業新聞様より引用)