回転窓/渋谷で描く夢

 東京・渋谷の東急百貨店本店で小学生を対象とした絵画コンクールが行われていた。テーマは「渋谷の未来」▼渋谷駅周辺では駅舎や街区の大規模開発が進む。未来が造られている真っ最中に、その先を子どもたちに考えてもらう企画。最優秀賞には、地上が緑に覆われた街を描いた小澤神威さんの「渋谷の森」が選ばれた。車や鉄道は地下を走らせ、緑豊かな街にしようというアイデアだ▼新幹線のような鉄道が縦横無尽に走り、高層ビルの間をロープウエーが結ぶ。さらに自動で動くスクランブル交差点など自由な発想が満載で、見ていて楽しかった。7月末から、優秀作品をラッピングした循環シャトルバスが走るという▼上京したてのころ、渋谷に出掛けるたびに道に迷った。街の中心が谷地にあるため随所に坂があり、細い路地も多い。多くの工事が行われている今は、迷宮度合いに拍車が掛かっている印象だ。ただ、そこがこの街の魅力でもある▼駅前で工事中のビルを楽しそうに眺めている児童がいた。子どもの夢に負けない新たなわくわく感をどう生み出していくか。巨大ビルが増える中でそれが試されている。

(日刊建設工業新聞様より引用)