回転窓/見果てぬ宇宙への夢

 空気の澄み渡ったこの時期、晴れた夜に空を見上げると、きれいに瞬く星々が見られる。光があふれる都心ではなかなか難しいが、少し郊外に出れば美しい夜空を十分楽しむことができる▼東京大学らが10年以上前から推進してきた天体観測プロジェクトで先週、口径6・5メートル、高さ15メートルという巨大な「光赤外線望遠鏡(TAO望遠鏡)」が完成した▼重さ約200トンに達する望遠鏡は、銀河が誕生する時に放たれる光を観測可能な性能があり、宇宙誕生の様子が観察できると期待されている。兵庫県播磨町で仮組みされた望遠鏡はこの後、南米チリに運ばれて、北部にあるチャナントール山山頂の観測所に設置される▼標高5000メートルを超える同山頂は、宇宙からの赤外線を吸収する水蒸気がほとんどないことから天体観測に適した環境といえるが、その分、生きものにとっては過酷な環境であり、作業には酸素ボンベが常時必要という。山頂まで資材を運び上げ、望遠鏡を組み立てるのだろうが、事故なく無事の完成を願いたい▼飽くなき探求心が新たな発見を生み出す原動力になる。この姿勢はものづくりの仕事も同じだと思う。

(日刊建設工業新聞様より引用)