回転窓/震災から7年

 千葉県山武市にある蓮沼海岸で、大勢の人が今年も約1メートルおきに腰をかがめてクロマツの苗を植えた。足でしっかりと踏み固め、目印の棒を立てる。夏に雑草と一緒に苗を抜いてしまわないようにするためだ▼海岸林の多くは、藩政の時代から整備が行われ強い海風や砂から人や建物を守ってきた。2011年3月11日には大津波の勢いをそぎ、襲来を遅らせた。しかし、あまりにも強い津波の勢いと引いてからの塩害で、蓮沼をはじめ数多く海岸林が消失した▼東日本大震災から7年。原発事故の処理は終わりが見えず、被災地の復旧・復興は、まだ道半ばだ。それでも未曽有の被害やつらい記憶と向き合い、次世代の安全と安心を守る取り組みは着実に広がりを見せている▼海岸林の防災機能は震災で一段と注目された。青森から千葉にかけて被災した海岸林は約140キロ。再生への地道な取り組みをボランティアが担い、企業が支援する活動が目立つようになった▼地震、津波、台風、豪雨・豪雪、噴火と、日本は災害が避けられない。だからこそ記憶をつなぎ経験を生かし、次の災害への備えを充実させ続けねばならない。

(日刊建設工業新聞様より引用)