国のかたちを考える・対談/東大大学院特任准教授・松尾豊氏×国交省技監・森昌文氏

 ◇AIが生産性向上の切り札に
 日刊建設工業新聞は創刊90周年特別企画として、国土交通省などの幹部と各分野の識者や産業界で活躍する人との対談を通じ、これからの「国のかたち」を探るシリーズを展開していく。第1弾は、人工知能(AI)研究の第一人者である松尾豊東京大学大学院特任准教授と、国交省の森昌文技監が語り合った。=10面に対談
 石井啓一国交相は、就任以来進めてきた省を挙げた生産性向上の取り組みについて、今年を「深化の年」と位置付けている。建設現場の生産性向上策i-Constructionの活動も3年目に入る。土工から始まったICT(情報通信技術)を活用した施工は、維持管理や建築分野を含めて導入を拡大するなど、新たなステージに突入していく。
 生産性向上の切り札として期待されるのがAIの活用だ。松尾氏は、機械が人の目に替わる機能を備えることによって、これまでの仕事が自動化できると指摘。典型的な分野の一つに「建設」を挙げる。
 松尾氏と国交省でi-Constructionの旗を振る森氏との対談では、建設分野でのAI活用の可能性を中心に議論してもらった。人手不足が指摘される産業で自動化技術が導入されると、大きな構造転換が起きる。松尾氏は「世界に先駆けることで、日本が強い産業競争力を得ることができるだろう」と語り、そうした取り組みの進展に大きな期待を寄せた。
 森氏は、設計データに基づき建機を自動制御するといった今の取り組みは、AI技術を取り込むことにより、一段と進展するとみる。頻発する自然災害への対応として被災地の復旧作業に当たったり、インフラ老朽化への対応でも人に替わって点検や修繕を行ったりするロボット技術の必要性も訴えた。
 (対談シリーズは随時掲載。各界の識者が「国のかたち」について語るインタビューシリーズも来週から掲載します。)

(日刊建設工業新聞様より引用)