国交省、厚労省/18年度の建設業人材確保・育成策/170億円確保、連携し施策展開

 国土交通、厚生労働両省は、18年度に取り組む建設業の人材確保・育成策をまとめた。18年度予算で国交省が5.8億円(前年度比17.1%増)、厚労省が164.2億円(23.6%増)を確保。両省は引き続き連携して関係施策を実施し、人材の確保・育成に多角的に取り組む。
 □国交省、働き方改革推進や社保加入徹底□
 国交省は建設産業の健全な発展を図る観点から建設業団体や企業と連携し、就労環境の整備や人材確保・育成に向けた取り組みなどを実施。建設業の働き方改革の推進(1・2億円)として、▽民間発注工事などにおける働き方改革の推進▽建設技術者の働き方改革の推進▽建設業における女性の働き方改革の推進▽建設業許可などの電子申請化に向けた検討-の4項目に取り組む。
 技能労働者の処遇改善や公平な競争環境実現に向け国交省は2012年度から建設業の社会保険加入対策を進めている。一定の成果は上がっているものの、小規模事業者・労働者単位の加入では課題が残る。さらなる社会保険加入の徹底・定着を図る対策経費として2300万円を充てる。
 専門工事企業の評価制度の構築に向けた検討経費として1900万円を新規計上。建設キャリアアップシステムを活用した技能者の能力評価と連動した仕組みの構築を調査・検討する。地域建設産業の多能工化の推進に向けた費用として6000万円を充てる。モデル事業の成果などを踏まえ、多能工化の手引を作成し、中小・中堅の建設会社に周知する。
 建設工事従事者安全健康確保推進法(建設職人基本法)に基づき、政府が昨年6月に策定した基本計画を受け、建設職人の安全・健康の確保推進で2000万円の予算を新規計上。安全衛生経費の実態把握調査を行うとともに、建設業者による安全衛生管理の自主的な取り組み事例を収集・分析し、好事例を水平展開する。
 □厚労省、時間外労働是正・若者と女性入職へ助成金□
 厚生労働省は、18年度に推進する建設業の人材確保・育成策として13施策を列挙した。今国会での働き方改革関連法案の成立を視野に入れ、新たに時間外労働の是正を促す助成金を整備した。17年度に続き若者や女性のさらなる入職や定着を促す助成金の拡充にも取り組む。
 新しい施策として働き方改革関連法案の柱になる時間外労働の罰則付き上限規制に対応し、「時間外労働等改善助成金」のメニューを拡充した。新たに中小建設業を支給対象に加え、時間外労働の上限設定を行うための就業規則の見直しや、生産性向上に有効な設備投資などに必要な経費の4分の3(上限50万~100万円)を助成する。週休2日を導入する企業には最高100万円を加算する。18年度予算で19・2億円を計上した。
 主に中小建設業に行っている「建設事業主等に対する助成金」も拡充した。例えば技能実習の開催経費を助成するメニューでは、対象を35歳未満の若者や女性に限定する際の助成率を従来より10~15%引き上げた。18年度予算で53・3億円を計上した。
 昨年6月に閣議決定した建設職人基本法に基づく基本計画を具体化する施策の経費も18年度予算に新規計上した。労災保険に特別加入している建設現場で働く一人親方向けの安全衛生教育や、安全衛生に関する専門工事業者向けの集団指導・技術研修会などに取り組む。
 建設現場の労働災害で最も多い墜落・転落を防ぐ対策も指導する。

(日刊建設工業新聞様より引用)