国交省、林野庁/CLT普及促進、3層構成の採用可能に/建築基準法の告示改正へ

 政府は、大規模木造建築を可能にする構造用の木製重厚パネル「直交集成板(CLT)」の普及を後押しする。国土交通省や林野庁など関係省庁が施策を総動員する。国交省は、木造建築物に採用できるCLTの層構成を定めた建築基準法の告示を見直す。林野庁は17年度補正予算でCLT調達費の一部を補助する制度を創設する。
 国交省はCLTの普及促進に向け、17年度中に基準強度を拡充する。木造建築物に採用できるCLTの層構成を現在より薄くしてコスト削減につなげる。現在は木造建築物の床や屋根に使用できる層構成を5層に限定しているが、新たに林野庁の実験などで性能が確認された3層まで薄くする。これによって、より低コストで自由度の高い設計を実現できると見込む。新たなCLTの基準強度を定める改正告示は、3月までに施行する。
 国交省は今国会に建築基準法改正案を提出し、CLTの採用を念頭に大規模木造建築物の建設を促す規制緩和にも取り組む。具体的には、防火規制の適用対象外になる建築物の高さ基準を現在の13メートルから16メートル(地上3階建て以下)まで引き上げる。
 林野庁は、非住宅のCLT建築物を新築・増改築する民間の建築事業者に対し、17年度補正予算で調達費1立方メートル当たり15万円を補助する制度を創設する。18年度予算案にもこの経費を盛り込んだ。
 文部科学省や厚生労働省もそれぞれ所管する学校や保育所といった施設整備費の補助金や交付金の配分について、17年度補正予算と18年度予算案でそれぞれCLT建築物への活用を認める。
 林野庁によると、17年3月末までにCLTを使って建てられた国や地方自治体の木造建築物は29件ある。17年度に設計・工事中(予定含む)の案件は65件ある。
 政府が掲げるCLTの普及に向けた工程表では、16年度に年間5万立方メートルだったCLTの生産体制について、2024年度までに年間50万立方メートル程度の構築を目指している。

(日刊建設工業新聞様より引用)