国交省、総務省/自治体の総合評価方式でダンピング対策要請/価格失格基準積極活用を

 国土交通、総務両省は地方自治体に対し、総合評価方式の入札でダンピング対策を適切に実施するよう文書で要請した。ダンピング対策として地方自治法施行令で認められている低入札価格調査制度を実施する際、一定価格を下回る入札を失格とする「価格による失格基準」を積極的に活用するよう要請。失格基準価格を調査基準価格に近づけ、適正な施工に懸念のある建設業者の排除を徹底するよう求めた。
 会計検査院から、自治体による総合評価方式の入札が地方自治法施行令に沿って適切に実施されるよう指導を求める指摘があったのを受けた措置。国交省土地・建設産業局建設業課長、総務省自治行政局行政課長の連名で「総合評価落札方式による入札における適切なダンピング対策の実施について」と題した要請文書を9月29日付で、都道府県・政令市の入札契約担当部局長に送付し、管内市区町村への周知も依頼した。国交省は建設業106団体にも通知した。
 自治体への要請は公共工事入札契約適正化法(入契法)に基づいて行われ、具体的には「低入札価格調査制度の活用と価格による失格基準の導入」「施工体制確認型総合評価落札方式の導入」の2点を求めた。
 総合評価方式の入札に採用するダンピング対策として、地方自治法施行令は最低制限価格制度ではなく、低入札価格調査制度だけを認めている。要請文書では、入契法に基づく入札契約適正化指針(2001年3月閣議決定、14年9月改正)を引用。低入札価格調査の実施に当たり、価格による失格基準を積極的に導入・活用するとともに、失格基準価格の水準を低入札価格調査の基準価格に近づけるよう求めた。
 これによって適正な施工に懸念のある建設業者を適切に排除し、低入札価格調査の実効性を確保するよう要請している。
 一方、失格基準価格と調査基準価格を同額に設定することは、最低制限価格制度の適用と同義になるため、行わないよう改めて指摘。調査基準価格と失格基準価格との間には、発注者の調査能力や負担軽減にも配慮して適切な幅を設けるよう求めた。失格基準価格は国交省がまとめた「地方公共団体向け総合評価実施マニュアル・改訂版」(08年3月)を参考に設定することも要請している。
 国交省が直轄工事に導入している施工体制確認型総合評価方式も参考にするよう要請。競争参加者の施工体制を適切に評価し、ダンピング受注の防止を徹底するよう求めた。
 国交省は、都道府県の担当者と入札契約制度などの課題を議論する17年度下期「ブロック監理課長等会議」(入札契約担当課長会議)で、価格による失格基準の実例などを紹介しながら適切なダンピング対策について周知を図る考えだ。

(日刊建設工業新聞様より引用)