国交省、農水省/水門・陸閘の維持管理マニュアル策定着手

 ◇ライフサイクルコストの最小化促進
 国土交通、農林水産両省は12日、海岸保全施設のうち、現在は整備・運用されていない水門や陸閘(こう)の維持管理マニュアルを策定する作業を始めた。主に施設を管理する地方自治体に対し、ライフサイクルコストの最小化や更新期の平準化を図る計画的・戦略的な維持管理を促す。18年3月にマニュアルを策定。南海トラフ地震などで大津波が襲来した際に確実に閉鎖できるようにする。
 マニュアルの策定作業は、同日発足した有識者委員会「海岸保全施設における水門・陸閘等の維持管理マニュアル策定検討委員会」(委員長・横田弘北大大学院教授)が担当する。
 両省によると、国内にある水門や陸閘、樋(ひ)門、樋管のストック総数は約2万7400基。うち陸閘が約2万2700基、樋門・樋管が約3600基、水門が約1100基に上る。これらを含む海岸保全施設は全般的に古いストックが多く、完成後50年を経過したストックの割合は2030年に直近(10年)の約4割から約7割へと大幅に増える見通しだ。
 政府予測で最高高さ30メートル超の津波の襲来を伴う南海トラフ地震が今後30年以内に70%の確率で発生するとみられている。今回着手した水門や陸閘などの維持管理マニュアルの策定は、災害時に確実に水門や陸閘を確実に動かせるように平時からの維持管理を促す狙いがある。
 マニュアルでは、水門や陸閘などの中の土木構造物について点検の頻度を設定。機械設備部材など海水の侵入でゲートの開閉に大きな影響を及ぼす施設の部分は重点点検箇所に位置付ける。目視が難しい箇所の点検は合理的な方法を導入する方向だ。
 まず来年3月にマニュアルの素案をまとめ、海岸管理者からの意見を募った上で18年3月に決定する。

(日刊建設工業新聞様より引用)