国交省・青木由行建流審/人材確保に安定的な売り手市場必要/事業量・適正利潤不可欠

 国土交通省の青木由行建設流通政策審議官は、社会環境の変化を踏まえ建設産業が10年後の危機を乗り切るため、「買い手(発注者)の理解を得た安定的な売り手(受注者)市場が必要」との考えを示した。継続的な売り手市場の間に「担い手確保や生産性向上に関するさまざまな施策を講じたい」と表明。その上で「安定的・持続的な事業量と適正な利潤の確保が重要」と述べた。
 16日に東京都内で開かれた全国建設産業団体連合会の理事会・協議員会合同会議で講演し、構造改革のための事業環境整備について考えを明らかにした。
 青木建流審は、円滑な社会資本整備や民間投資には建設産業の持続可能性の確保が大前提となると強調。当面は建設工事の施工力(就業者数)に問題はないとした上で、「10年後には団塊世代層の大半が引退する。人口の少ない若手層に建設産業を選んでもらわないといけない。人材を獲得しないとこの産業は生き残れない」と危機感を募らせた。
 10年後の危機を乗り切るための方策として、処遇改善や働き方改革などによる担い手確保、建設現場の生産性向上策i-Constructionの推進・拡充などによる生産性向上に加えて、構造改革のための事業環境整備を挙げた。
 官民とも建設工事は、発注者の発意によって始めるため、事業環境は買い手(発注者)市場になりやすい。青木建流審は足元の状況を「やや売り手(受注者)市場になってきている」と分析し、「継続的に売り手市場が強い環境を作り、この間に人材確保へのさまざまな政策を講じたい」とした。
 環境整備に向けて量と質の確保を強調。適正利潤を確保するためダンピング防止のほか、「売り手の適正な価格の適正な圧力が必要だ。下請からの圧力があれば、元請が発注者に圧力をかけ、量と利潤が確保できる」との見方を示した。

(日刊建設工業新聞様より引用)